『IQVIA ジャパン 平成年間トップライン市場データ』平成年間で国内医療用医薬品市場は4.8兆円拡大

2019年4月16日、IQVIAジャパングループ(東京都港区)は、平成年間にあたる1989年から2018年暦年の日本医療用医薬品市場(薬価ベース)を、「IQVIAジャパン平成年間トップライン市場データ」として発表した。2018年の日本医薬品市場(10兆3,374億7100万円)は、平成元年の1989年(5兆5,260億2300万円)と比較すると、4兆8,114億4800万円増で187.1%拡大した。平成年間の日本医薬品市場は1992年に6兆円台に乗り、その後2003年、2007年、2011年、2015年と4年毎に1兆円ずつ桁が拡大するなどした。
なお、本レポートでは、日本医療用医薬品市場の市場合計と、市場影響要因として主要16薬効を取り上げている。

IQVIAジャパングループは、日本のヘルスケア産業の発展と透明性の創造、および社会に日本のヘルスケア市場についての理解を深めてもらうため、市場規模や薬効、製薬企業および医薬品の売上、処方、疾病に関するトップラインデータをメディアや医療・医学の研究に携わっている学術研究機関に提供している。

・2018年の国内医療用医薬品市場(10兆3,374億7100万円)は、平成元年の1989年(5兆5,260億2300万円)と比較すると4兆8,114億4800万円増で 187.1%拡大した。
・平成年間の日本医薬品市場は1992年に6兆円台に乗り、その後2003年、2007年、2011年、2015年と4年毎に1兆円ずつ桁が拡大してきた。
・平成年間で対前年比最高は1989年の10.0%で、金額ベースで5,023億6600万円増だった。
・平成年間で対前年比最低は1998年(全市場6兆799億9400万円)の―7.0%で、金額ベースで4,568億 200万円減だった。
・対前年比マイナス成長は1996年から1998年までの3年連続が最長だった。
・対前年比プラス成長は2008年から2016年まで9年間連続と最長だったが、2017年から2年連続で前年を下回っている。
・全医薬品市場に占める主要16薬効の比率は、1989年が44.9%、2018年が 49.8%だった。
・全医薬品市場に占める主要16薬効の比率が最も大きかったのは、2016年で51.7%だった。
・全医薬品市場に占める主要16薬効の比率が最も小さかったのは、1994年で38.7%だった。
・主要薬効の中で対前年比の最高値は2015年のJ05全身性抗ウイルス剤で125.3%増(2,764億5100万円増)だった。
・主要薬効の中で対前年比の最低値は、2017年のJ05全身性抗ウイルス剤で44.2%減(2,689 億800万円減)だった。

主要16薬効別ランキング
平成年間 10 年ごとの合計値で比較/前期(1989年~1998年)・中期(1999年~2008 年)・後期(2009年2018年)

・「A10 糖尿病治療剤」は、売上額ランキングで16薬効中、前期9位、中期8位から、後期は3位になり、成長額ランキングでは、前期4位、中・後期と続けて3位になった。
・「C09レニン-アンジオテンシン系作用薬」は、売上額ランキングで16薬効中前期8位、中期3位、後期は2位になり、成長額ランキングでは前期5位、中期にトップになり、後期は15位になった。
・「C08カルシウム拮抗剤」は、売上額ランキングで16薬効中前期4位、中期5位から後期は12位になり、成長額ランキングでは前期2位、中期 8位から、後期は16位になった。
・「J01全身性抗菌剤」は、売上額ランキングで16薬効中前期・中期のトップで後期は7位だったが、成長額ランキングでは前期・中期ともに16位で、後期は14位だった。
・「L01抗腫瘍剤」は、売上額ランキングで16薬効中前期3位、中期6位、後期にトップとなり、 成長額ランキングでは、前期3位・中期2位・後期トップになった。
・「L04免疫抑制剤」は、売上額ランキングで16薬効中前期15位、中期14位、後期は8位となり、成長額ランキングでは、前期9位、中期7位から後期は2位になった。

※IQVIA ジャパン 「日本医薬品市場統計」における「薬効」は ATC 分類に準拠している。 本項の「ATC分類(Anatomical Therapeutic Chemical Classification)は、EphMRA(European Pharmaceutical Market Research Association : 欧州医薬品市場調査協会)により管理されている、アナトミカル薬効分類(作用部位別薬効分類)に準じており、日本医薬品市場統計作成にあたっては、定期的に最新最適な状態に見直しを図っている。

※ATC分類の見直しによって、薬剤の属性変更や新たなATCの設置など年次で変わることがある。分析対象の「C10脂質調整剤及び動脈硬化用剤」「L04免疫抑制剤」は、それぞれ1997年、1994年から新たにATC分類が新設された。

※本レポートでは、市場影響因子として以下 16 薬効を「主要薬効」としてハイライトした。