ファストドクター株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:水野敬志、代表取締役医師:菊池亮)は株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ(東京都千代田区、代取締役:堀義人)等を引受先とした第三者割当増資により、シリーズA資金調達を実施。
■ファストドクターの事業内容とこれまでの取り組み
夜間と休日に特化した医師による医療相談・救急往診支援サービスを事業の基軸とし、
年間4万件以上の医療相談と年間1万件以上の往診支援を行ってきた。
平成29年度中の救急車による救急出動件数は634万(対前年比2.1%増)で過去最多となったことが背景である(※1)。しかし、その搬送人員の傷病程度別内訳は軽症が49%と最も多い。このような軽症患者の救急車利用を抑制し、救急車と高次救急医療機関が重症患者に集中できる医療ネットワークを構築することをファストドクターは目指してきた。
※1 総務省報道資料より抜粋
https://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/items/310111_houdou_1.pdf
同時に一般的なクリニックにとっても、365日の救急往診態勢を構築することは負担が大きいものでした。
この課題についてファストドクターはITを活用し、トリアージ・決済・レセプト・コメディカルの労務管理等の医療に付随する業務を一気通貫で効率化。
■資金調達の目的と今後の展開
今回調達した資金を活用し、私たちは次の領域・課題に積極的な投資を進め、これまで以上に救急医療態勢に大きく貢献できるよう目指していく。
1) クリニック向け救急外来支援サービスの提供
これまで、ファストドクターは提携クリニックの夜間救急往診をサポートし、救急搬送台数の抑制に貢献してきた。今後は救急車の利用だけでなく、夜間救急医療全体の受診の適正化に貢献すべく、クリニック向けの救急外来支援サービスを提供開始。
現在、東京都内で翌朝6時まで患者受け入れを行う初期救急医療機関はわずか3施設に留まっている。結果として、高次救急病院(重篤な疾患や多発外傷など重症患者を対象とした施設)に負担が集中し、本来は重症患者に充てるべき医療資源が確保しにくいという社会的な損失が発生している。
ファストドクターはこの社会課題を解決するために、初期救急を担うクリニックが夜間救急外来を開院・運営する負担を軽減することを目指す。
具体的には救急往診支援で培ってきた、トリアージ・診察・処方・決済までを医師1名で実施できるシステムを夜間救急外来にも応用することで、時間外でも最小限のスタッフで効率的に診療が可能な態勢を構築する。
これによりクリニックの夜間診療への参画率を高め、高次救急病院に集中する負担を軽減することで持続可能な地域医療ネットワークへ貢献します。
このようにファストドクターは、これまでの救急往診に加え、救急外来においても
クリニックを支援する「時間外救急のプラットフォーム」へと転換を図っていく。
2)提携クリニック・連携先医療機関の拡大
ファストドクターではこれまで東京23区の住民をカバーできるクリニックを中心に支援してきましたが、今後は地方医療への貢献も強化すべく、エリアを順次拡大していく。
また、人口が集中する都心においては一つ一つのクリニックの負担を低減するために、複数のクリニックおよびその後の搬送先病院等がスムーズに連携しあって時間外救急を提供できるようなシステムと患者受け入れ態勢を構築していく。
3) 全分担職種における採用活動の強化
上記に挙げたサービス拡充のため、ファストドクターではエンジニア、マーケティング担当、事業開発担当などといったサービス運営スタッフの人材採用活動を強化する。
■本件に関する問い合わせ先
ファストドクター株式会社
https://fastdoctor.jp