アイリス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:沖山 翔、以下「アイリス」)は4月26日、咽頭カメラを含むAI搭載システム nodoca®(販売名nodoca(ノドカ))の製造販売承認を取得した。nodocaは、日本で初めて「新医療機器(※1)」として承認を取得したAI搭載医療機器(※2)となる。
nodocaの対応疾患は、「国民的感染症」ともいわれるインフルエンザ感染症。インフルエンザ感染症は過去に年間約2,200万人が受診したと推計(※3)されている。
アイリスでは、現在COVID-19 (新型コロナウイルス感染症)をはじめとする複数の疾患について、大学病院を含む医療機関との共同研究を実施しており、今後もさらなる医療機器の開発・販売を通じて医療・社会に貢献していく。
AIを搭載した日本初の「新医療機器」の承認を取得
nodocaは、新医療機器(※1)として厚生労働大臣による承認を取得した。AIを搭載した医療機器が、新医療機器として承認された日本初の事例(※2)となる。
また、医療機器の製造販売の年間承認件数は約1,100件(※4)だが、そのうち新医療機器の承認件数は年間約20件程度で、日本国内で開発された新医療機器は年間わずか2、3件程度(※5)。アイリスは機器本体・AIともに日本国内で自社開発している。
nodocaについて
nodocaは、咽頭(のど)の画像と診療情報をAI解析し、インフルエンザ感染症に特徴的な所見等を検出することで同感染症の診断に用いることができる。
nodocaのAIアルゴリズムは、のべ100医療機関・10,000人以上の患者の協力により収集した、50万枚以上の咽頭画像を元に開発されている。また、AI解析に適した咽頭画像を撮影するための咽頭撮影専用カメラを自社で独自に設計・開発しており、口腔内・咽頭を鮮明に撮影できる。
インフルエンザ濾胞(ろほう)がインフルエンザ感染症の診断に有用であることは宮本昭彦医師の報告(※6)により知られていたが、インフルエンザ濾胞を視診で見分けるには熟練の医師による診察が必要とされていた。アイリスは、熟練医の視診をAIによって再現することを目指し、nodocaを開発した。
COVID-19をはじめとした感染症・その他の疾患への研究開発
アイリスは、独自の画像解析技術を元に、新たな感染症を含む他疾患を検出するAI医療機器の開発を進めている。現在、COVID-19をはじめとする複数の疾患について、大学病院を含む医療機関と共同研究を進めており、複数の競争的研究資金の採択を得ている。今後、論文化・学会発表に注力することで医学界へ研究成果を還元するとともに、製品化を通して医療現場に貢献していく。
※1:「医療機器の製造販売承認申請について」(平成26年11月20日 薬食発1120第5号)」第1・2(2)が定める定義
※2:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開する令和3年度~平成23年度の新医療機器の一覧(https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/devices/0018.html)及び令和4年度の承認医療機器を当社が確認する限りの情報(2022年5月9日時点)
※3:国立感染症「今冬のインフルエンザについて (2019/20 シーズン)」 における2017/2018シーズンの推定受診者数(https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/disease/influ/fludoco1920.pdf)
※4:令和3年版厚生労働白書(https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/20-2/dl/02.pdf)
※5:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開する令和2年度~平成23年度の10年間の新医療機器の一覧(https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/devices/0018.html)をアイリスが確認する限りの情報(2022年5月9日時点)
※6:宮本 昭彦, 渡辺 重行, 咽頭の診察所見 (インフルエンザ濾胞) の意味と価値の考察.日大医学雑誌72巻 (2013) 1号 p.11-18
本件に関するお問い合わせ先
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