【最新電子カルテ比較表】小児科クリニック開業で本当に選ばれている製品4選

小児科クリニック開業で本当に選ばれている電子カルテ

小児科クリニックにおける電子カルテの役割

小児科診療では、予防接種や乳幼児健診の確実な管理、継続的な成長記録の把握、そして家族単位でのきめ細やかな診療対応が求められます。
また、診療対象となる小児は心身ともに成長過程にあり、診察への協力が得られにくいことも少なくありません。そのため、泣いている子どもへの対応や保護者への説明に集中する必要があり、診療時の電子カルテ入力には時間をかけていられない場合があります。

このような小児科特有のニーズに応える電子カルテを選択し導入することは、日々の診療の質を高めるだけでなく、医療安全の向上にも大きく貢献します。

本記事では、実際に小児科クリニックを運営されている医師の方々の知見をもとに、電子カルテ選択の重要なポイントをまとめました。
さらに、小児科診療に適した電子カルテの具体的な製品とその特徴についてもご紹介します。

小児科向け電子カルテの選択ポイント

  • 予約機能と感染対策 
    小児科を受診する子供たちは長時間の待ち時間に耐えることが難しく、ストレスを感じやすいものです。そのため、待合室での待機時間を最小限に抑える予約システムや順番待ちシステムは今や小児科の必須となっています。
    スマートフォンやパソコンから手軽に予約できるシステムと、オンラインでの問診機能があれば、来院後の手続きがスムーズになり、院内での滞在時間短縮と感染予防につながります。
  • 予防接種・健診管理機能
    小児科診療の中心となる予防接種と乳幼児健診には、確実な管理が欠かせません。予防接種スケジュールの自動管理とリマインド機能、さらに身長や体重などの測定値をグラフ化する機能があると便利です。
    これらのデータは保護者への説明時にも効果的で、子供の成長状況を分かりやすく伝えることができます。
  • アレルギー情報の管理
    アレルギーを持つ子供が増加している現状では、食物アレルギーや薬剤アレルギーの適切な情報管理が重要です。診察時にアレルギー情報が目立つ形で表示される機能や、処方時の自動アラート機能があれば、投薬ミスなどのリスクを大きく減らすことができます。
  • 家族単位での管理機能
    小児科では、兄弟姉妹での受診や家族ぐるみの診療が多くあります。家族単位で情報を一元管理できる機能があれば、予防接種歴やアレルギー情報など、家族全員の医療情報をまとめて管理でき、診療が効率的になります。
  • シンプルな画像管理機能
    小児科では、レントゲンなどの画像検査を行う機会は比較的少ないものです。そのため画像管理機能は必要最小限のもので十分です。一方、皮膚症状や腫脹などの異常を簡単に撮影し取り込むことができる機能があると、アトピー性皮膚炎などの経過観察に便利です。
  • ITに慣れた親世代への対応
    現在の子育て世代は、デジタル機器の活用に慣れており、ITを活用したサービスへのニーズが高まっています。オンライン診療や自動精算機との連携があれば、発熱時や感染症が疑われる場合でも安全な診療が可能です。
    また、院内での待ち時間短縮や手続きの簡素化は、保護者からの高い評価につながります。

小児科クリニック開業医の体験談

A医師
A医師

小児は体重で薬剤の処方量が変わるので、自動計算機能や、必要な形で多様なセットが登録できるとワンクリックでカルテが記載できて便利です。

B医師
B医師

在宅療養のお子さんの訪問診療があるため、訪問先でリアルタイムで使えるカルテを選んだ。

C医師
C医師

小児の成長曲線や月齢表記機能が搭載されているか、カスタマイズしてくれるか確認しました。

D医師
D医師

健診や予防接種といった決まった操作が多いので入力が簡単なものを選び、待ち時間短縮にもつながった。

小児科クリニック向け電子カルテ一覧・比較表

小児科クリニック向け電子カルテ比較表
項目 CLINICS
(クリニクス)
CLIUS
(クリアス)
M3DigiKar
(エムスリーデジカル)
MAPs for CLINIC
メーカー名 メドレー株式会社 株式会社DONUTS エムスリーデジカル株式会社 株式会社EMシステムズ
初期費用 0円 20万円~
(0円プラン有)
0円 0円
月額費用 40,000円~ 120,000円~ ORCA連動型:11,800円~
レセコン一体型:24,800円~
20,000円/1接続
(追加1接続あたり5,000円)
レセコン一体型/
連携型
ORCA内包型 ORCA一体型 ORCA連動型/
レセコン一体型
レセコン内包
サポート 導入支援立ち合い
オンラインサポート
メール
電話
遠隔サポート
サポートセンター・メール
プレミアムプラン有
全国にサポート拠点
訪問サポート可
資料請求

小児科クリニック向け電子カルテ製品詳細情報

CLINICS(クリニクス) /メドレー株式会社

価格初期費用 0円
月額費用 40000円 ~ 
機能性ORCA内包型、クラウド型。
CLINICSの様々なプロダクトと連携し、WEB予約・WEB問診・オンライン診療・経営分析を一元管理。
総合診療アプリ「CLINICS」との連携でオンライン診療・オンライン服薬指導・処方薬の当日配達機能を利用可能。
操作性
連携クラウド型を活かした柔軟な院外検査や、レントゲン・心電図といった院内モダリティと接続可能
サポート導入支援立ち合いロールプレイング、オンラインサポート(オンライン面談・チャット)
医師のコメント”開業時に小児在宅を開始する予定でしたので、患者さんのご家庭に訪問した際に、リアルタイムで見れる
カルテを検討していました。”
“院内機器との連携や電子カルテの細かい機能の仕様まで「こうしたい」を伝えたときに、
他社より比較的柔軟に取り組んでくれる前向きな姿勢を感じたことにも好感を持ちました”
【出典:https://clinics-cloud.com/

編集者コメント:アプリの活用で予約・診療・処方薬受け取りまでのすべてが患者さんの自宅で完結するため、オンライン診療に力を入れたい、保護者や患児の負担の少ないクリニックを目指す先生におすすめです。

クラウド診療支援システム「CLINICS」のインタビュー記事はこちら

CLIUS(クリアス) /株式会社DONUTS

価格初期費用 20万円~  (初期費用0円、訪問サポートなし、ご自身で導入を行うプラン有)
月額費用 1.2万円~
機能性ORCA一体型、クラウド型。
基本料金で在宅機能・WEB予約・オンライン診療・WEB問診・経営分析機能の利用が可能
操作性一つの画面の中に必要な機能・情報が整理された見やすい画面表示・UI
連携機器・システム連携実績300種類以上
サポートメール、電話、遠隔サポート(遠隔接続での確認・電話サポート)
医師のコメント”体重が10kgのお子様と20kgのお子様では薬剤の処方量が変わりますが、身長・体重の組み合わせで病名や
レセコメント、定型診療録までセットを組みこんでおけば、処方箋、病名登録、管理料まで1クリックで一括入力、
効率的!患者さんの待ち時間短縮にも寄与しています。”
”小児科は、レントゲンなどの機器を使う検査が少なく、電子カルテに画像を取り込む必要性なども少ないです。
そのため、基本的な操作をスムーズにおこなえることが理想でした。”
【出典:https://clius.jp/

編集者コメント:他科でも「セット登録の作りこみがしやすい」と評判のクリアス。
現場医師の「他社のWEB予約や問診・オンライン診療が、電子カルテと連携できていない」という声を反映し、上乗せ費用なしで、クリニックを効率化する各種機能を導入できます。

CLIUSのインタビュー記事はこちら

M3DigiKar(エムスリーデジカル)/エムスリーデジカル株式会社

価格初期費用 0円
月額費用 ORCA連動型:11800円~  レセコン一体型:24800円~
機能性AI自動学習機能で入力時間を80%削減
予約から決済までの機能をまとめた「デジスマ診療」とのシームレスな連携
ログインIDで認証
操作性マニュアルいらずの簡単操作
ipad proアプリの活用で紙カルテを超える書き心地を実現
連携予約から会計まで90以上のサービス・機器と連携
サポートサポートセンターによる電話・メールでのリモート対応、サポートを充実させたプレミアムプランあり
医師のコメント“セットは主訴・所見と診療行為を組み合わせて作れるので、乳幼児健診や予防接種のように入力項目が
決まっている診察ではカルテが数秒で完成するので大変便利です。”
”皮膚疾患(発疹、蕁麻疹、アトピー、傷口など)の写真をiPadで撮影しています。”
【出典:https://digikar.co.jp/】

編集者コメント:M3DigiKarはクラウド型電子カルテトップシェアで、実績への信頼感から選ばれる先生が多いようです。同社の「デジスマ診療」の導入で、待ち時間短縮や再診率向上に必要な仕組みを取り入れることができます。

MAPs for CLINIC(マップスフォークリニック)/株式会社EMシステムズ

価格初期ライセンス費用 0円(初期ハード機材もお客様調達可能)
月額費用 20,000円/1接続(追加1接続あたり5,000円)
機能性レセコン一体型(ORCA連携型と選択可能)
オンプレ型のように柔軟なカスタマイズが可能
それぞれの診療科に合わせた機能選択、障害発生時に過去記録分のデータ参照
操作性オンプレ版に負けない視認性の良さ、画面上タブ・複数ウィンドウを実現
連携多数の検査機器や検査センターと連携可能
サポート全国各地にサポート拠点あり、訪問サポート可能。PCが苦手な方にも好評
医師のコメント”小児科の診察に必要な成長曲線や月齢表記、薬剤の小児量自動計算機能が搭載されていた“
”商談時から小児科向けの内容を細かくデザインし、ご説明してくれたので導入イメージを持つことが
できました(略)”
【出典:https://service.emsystems.co.jp/maps_series/for_clinic/】

編集者コメント:アプリケーション版での開発により、オンプレ型に負けないカスタマイズ性・操作性が魅力のMAPs for CLINICは、小児科の先生からも評判の良い電子カルテです。ネットワーク障害発生時でも過去カルテ参照と一部入力が可能で非常時でも安心です。クラウドで安価な価格帯ですが、訪問サポート可能な点もポイントです。

まとめ

小児科診療では、子どもたちの成長に寄り添い、保護者の方々と信頼関係を築きながら、安全で効率的な医療を提供することが求められます。本記事では、そんな小児科診療をサポートする電子カルテについて、予防接種・健診管理から感染対策、家族単位での情報管理まで、現場のニーズに即した選定のポイントと各製品の特徴ををご紹介しました。
電子カルテは日々の診療を支える大切なパートナーとなります。この記事が、開業を検討される先生方の理想の診療スタイルを実現するヒントとなれば幸いです。

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