疾患治療用プログラム医療機器「治療アプリ®」の研究開発から製造販売を事業とする株式会社キュア・アップ(東京都中央)はこのほど、第一生命保険株式会社、森トラスト株式会社、株式会社コシダカホールディングス、株式会社インテージホールディングス等を引受先とする、総額22億円の第三者割当増資を実施した。
なお、今回の資金調達を含めたこれまでの累計資金調達額は、約41.7億円となる。
■キュア・アップについて
株式会社キュア・アップは、高度なソフトウェア技術と医学的エビデンスに基づいた「病気を治療するアプリ」=「治療アプリ®」の開発に取り組んでいる。
「治療アプリ®」はこれまで医療者が関わることの難しかった診察以外の時間帯(院外、在宅・外出時など)に患者への治療介入を実現。個別化された医学的なフォローを行い意識・習慣に対して行動変容を促すことで、治療効果をあげる仕組みを構築している。
現在、同社は「アプリで治療する未来を創造する」をビジョンに掲げ、大学医学部・大学病院と共同で3疾患の「治療アプリ®」開発に取り組むほか、「日本発のデジタルヘルスソリューション」として、グローバル展開も進めている。
また、「治療アプリ®」開発で蓄積した知見を活かし民間企業の健康増進にも活用できるよう、法人向け「モバイルヘルスプログラム」も開発。健康保険組合加入者などへの健康増進や健康経営の取り組みへ貢献することを目指し、現在、禁煙支援「ascure(アスキュア)卒煙プログラム」と、特定保健指導対応の「ascure STEPS(生活習慣改善プログラム)」を提供している。
■資金調達の目的と使途
今回の増資は、同社の手がける「治療アプリ®」が医療財政の逼迫、医師の不足など日本の医療システムの大きな課題解決に資することに加え、弊社デジタルヘルスケア事業と幅広い産業との連携の可能性が評価された。
本資金により、現在薬事申請中で保険適用を目指すニコチン依存症治療用アプリに続き、高血圧治療用アプリとNASH(非アルコール性脂肪肝炎)治療用アプリの開発や臨床試験をさらに加速させるほか、新たな疾患向けの「治療アプリ®」に関しても研究・開発を進めていく。
加えて2019年3月に米国法人( CureApp North America, Inc.)を設立し、今後日本と並行して事業展開を進める。また、出資した事業会社との各種取り組みを通じ、デジタルヘルスケア事業に関しても、拡大を加速していく方針だ。
■「治療アプリ®」の開発状況
ニコチン依存症治療用アプリ
慶應義塾大学医学部呼吸器内科と共同研究、2018年末に国内初の治療用アプリの治験を完了、現在薬事申請中。
高血圧治療用アプリ
自治医科大学との共同研究。2018年6月から臨床研究を開始、現在治験に向けた準備中。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)治療用アプリ
東京大学医学部附属病院との共同研究。2016年10月から臨床研究を進行中。
■「民間法人向けモバイルヘルスプログラム」の開発状況
・ascure(アスキュア)卒煙プログラム
医師開発アプリと医療資格を有する禁煙指導員のオンラインカウンセリングを組み合わせ、 6ヶ月の長期に渡って手厚い禁煙支援を提供。2017年4月の提供開始より、既に50を超える多くの法人で導入が進む。
https://sc.ascure.technology/
・ascure STEPS(生活習慣改善プログラム)
「医師開発アプリ×オンライン指導×IoTワイヤレス体重計」を一体化。特定保健指導実施率の向上と、大きな体重減少の実現が期待できる。2019年4月よりサービスを提供開始。
https://steps.ascure.technology/
■株式会社キュア・アップ 会社概要
社名:株式会社キュア・アップ(CureApp,Inc.)
代表取締役社長:佐竹 晃太
本社所在地:東京都中央区日本橋小伝馬町12-5 小伝馬町YSビル4階
設立:2014年7月31日
事業内容:プログラム医療機器開発、モバイルヘルス関連サービス事業
商標登録:「治療アプリ®」「CureApp®」「ascure®」「処方アプリ®」
URL:http://cureapp.co.jp/