新設される「電子的診療情報連携体制整備加算」とは_『院長が悩んだら聴くラジオ』シーズン1_エピソード98全文書き起こし

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DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。

(高山)おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。

(大西)おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。

(高山)「院長が悩んだら聞くラジオ」、第98回が始まりました。大西さん、今回もよろしくお願いします。

(大西)よろしくお願いします。
今日のテーマは何でしょうか。

(高山)今日のテーマも短冊です。

短冊の点数について、引き続きモリモリまだありますので、かいつまみながらも詳しく説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

(大西)お願いします。

(高山)引き続きなんですが、前回は賃上げのことが一つ目玉だったということで詳しく教えていただきました。

そのほか、特筆すべきクリニックに関係するところを挙げていただいてもよろしいでしょうか。

「電子的診療情報連携体制整備加算」への名称変更と統合】

(大西)医療DX推進体制整備加算という点数があります。

この点数は、医療DXの取り組みを評価する点数です。

マイナ保険証やオンライン資格確認、電子処方箋などを医療DXと呼んでいます。

今回、結構大きな変更があり、まず名称が「電子的診療情報連携体制整備加算」という名前に変わります。

(高山)またこれ長いですね。

(大西)長いですね。もともと「医療情報取得加算」という点数が一つ、2つ目が「医療DX推進体制整備加算」と2つに分かれていました。

それをまず合体させました。

新しく「電子的診療情報連携体制整備加算」という名前に変えたのです。

僕らはこれまでDX加算と呼んでいたので、新しい名前を考えなければいけないのですが、「電子的診療情報連携体制整備加算」を読むと、電子カルテ加算のことなのです。

電子カルテを情報連携する体制を整備する加算です。

(高山)なるほど。診療情報ですからね。

電子的な診療情報イコール電子カルテを中心とした情報で、この連携の体制を整備したら加算するということですね。

(大西)そうです。今どこの段階まで来たかというと、マイナ保険証の普及率が上がってきて、みんながマイナンバーカードで保険証を確認する時代が来ました。

次に今進んでいるのが電子処方箋です。

処方箋を電子化する、このあたりからもう電子的診療情報なのです。

私たちが紙でもらうものには、明細書、領収書、処方箋、紹介状などがあります。

これら全部をデジタル化する体制がこれからの準備になります。

(高山)一歩ずつ進んでいるわけですね。

前回はその「医療情報取得加算」という名前で、データを作っていくというのが前回の内容でした。

今回はそのデータを運用に乗せていく体制作りをしましょうということですね。

(大西)そうです。そうなると、DXを進める加算から、もう少し具体的な名前に変える必要があったのでしょうね。

【加算の点数区分と3つの要件】

(大西)今回の点数は、1をとると15点、2をとると9点、3をとると4点です。

(高山)510ページの下の方ですね。

(大西)下の方ですね。この点数差は何かというと、一言で言うと国が今進めている大きな施策は3つです。

一つはマイナ保険証、もう一つは電子処方箋、もう一つは電子カルテ情報共有サービスです。これ全部やると15点です。

電子処方箋か電子カルテ情報共有サービスのどちらかをやると9点。マイナ保険証しかやらない人は4点です。

(高山)なるほど。

(大西)そういう風に変えたのです。

電子カルテ情報共有サービスはまだ始まっていません。

だから、電子処方箋をやっておけば一番上の15点がとれるというからくりです。

(高山)この3点セットが見なされるということですね。

(大西)そうです。ただ、まだ明るみになっていないのが、マイナ保険証は実績要件だということです。

どれぐらいマイナ保険証を使っているかの率で点数ができているので、実績要件をクリアできないとおそらく1点もとれなくなる可能性が高いです。

(高山)導入しているだけではなくて、実際に運用なされているということですね。

(大西)そうです。該当箇所がここです。515ページの「ホ」。

健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認にかかる十分な実績を有していること。

この十分な実績がなければ当然とれません。

(高山)十分な実績というのはどういう実績なのでしょうか。

(大西)従来の紙の保険証とマイナ保険証の比率で計算するのではないかと思います。

(高山)これには具体的な線引きがあるのでしょうか。何パーセントなど。

(大西)これまでずっとありました。

70%がマイナ保険証だと一番高い点数、50%だと真ん中の点数、35%だと一番安い点数と一応線引きがありました。

今回その段階を全部取っ払って、一つの「最低いくら」ということになると思います。

(高山)これに関してはまだ発表されていないのですか。

(大西)発表されていません。

(高山)半分以上やっていれば実績として有していると見なしてもらえるのではないかということですかね。

(大西)そうです。電子カルテ情報共有サービスはいつからやれという指示がまだ出ていません。

(高山)まだリリースされていないからですかね。

【見通しが立たない電子カルテ情報共有サービス】

(大西)他の点数を見ると、リリースされたらすみやかにやれという言葉に変わっていました。

ページで言うと518ページ。

在宅のDXの加算の点数の中に、電子カルテ情報共有サービスは令和8年5月31日までにやりなさいと書いてあったのです。

(高山)もともとの現行の記述ですね。

(大西)現行です。それが改定案では、始まったらやりなさいに変わっているのです。

(高山)開始した場合にはすみやかに導入するように努めるとありますね。

(大西)またこれややこしいことに「努めること」は努力義務なので義務ではありません。

(高山)そうですね。ちょっと怪しくなっているでしょうか。

(大西)これを読んだ時に、今改定中、要は令和8年9年の間にはできないかもしれないということがにおいますね。

(高山)ですよね。本来は今年の令和8年ですから、今年の5月31日までの間に限り、暫定的にみたいな文言があったのが、日付が指定されなくなったのですよね。

ちょっとうやむや感が増している感じですね。

(大西)珍しいです。経過措置で日付がないのは、過去に1回もないのではないでしょうか。

(高山)なるほど。

(大西)経過措置には必ず日付があるのです。

なのに今回日付がないので、相当困っていますね。

(高山)見通しが立たないという感じですかね。

(大西)薬局の方の点数にも同じことが書いてあるので、これはほぼ確定で電子カルテ情報共有サービスは始まるまで放っておいていいのだなということが分かります。

(高山)なるほど。ということで、電子処方箋とマイナをやっておけばいいということですね。

(大西)そうです。

【オンライン診療における電子処方箋の評価と向精神薬】

(大西)あと一個だけ補足すると、電子処方箋の評価が出始めています。

まず1つ目の評価は、ページで言うと521ページです。

オンライン診療と電子処方箋は相性がいいと言われています。

だから向精神薬を出す場合、電子処方箋管理サービスを使わないと出せなくなります。

オンラインでは。

(高山)基本的な考え方の2番のところですね。

(大西)2番です。向精神薬の処方実態を踏まえ、情報通信機器を用いた診療、いわゆるオンライン診療を行った場合、向精神薬を処方する場合は、電子処方箋管理サービスの重複チェックをしてください。

こうなると、まずオンライン診療で向精神薬が出にくくなると思います。

(高山)出にくくなるというのは、電子処方箋を導入していないところはやりづらいということですか。

(大西)そうです。もし今電子処方箋システムを有していない場合、まだ導入していない場合は、来年5月までは猶予がありますよということが522ページに書いてあります。

(高山)これは日付が書いてありますね。

(大西)だから電子処方箋はもうできあがっている。

これがまず電子処方箋を進める施策の1つで、出せない薬を決めたということです。

【新設された「遠隔電子処方箋活用加算」】

(大西)次に、点数のおまけをつけるということで、オンライン診療における電子処方箋活用の推進として、新しい点数を523ページで定義しています。遠隔電子処方箋活用加算、10点です。

これはオンライン診療で医学管理等を算定した患者ということです。

オンライン診療で例えば生活習慣病管理料や、特定疾患療養管理料をとった場合、電子処方箋のシステムによって薬剤情報を確認して重複チェックをした場合、10点を上げますということです。

(高山)この重複投薬等チェックを実施というのは、主体はどなたがやるものですか。薬局の話ですか。

(大西)先生です。医師です。

(高山)医師側ですね。

(大西)例えばお薬を出した時に、このチェックボタンをポチッと押すると重複チェックがかかって、他の医療機関で出しているお薬と突合してくれるのです。

(高山)そういう仕組みなのですね。

(大西)そうなんです。突合して出せないとなったら薬を取り下げます。

これを薬局さんで今までやってきたのです。

それをクリニック側でもやりましょうという点数です。

(高山)遠隔電子処方箋活用加算というのは、情報通信機器を用い、

オンライン診療を実施した場合で、以下の「ア」から「ウ」までのすべてを満たした場合に月に1回に限り算定するとありますが、

「ア」「イ」「ウ」のうち、「ア」が今大西さんがお話ししていたチェックですね。電子的にチェックできる仕組みがあるということですね。

「イ」に関しては、患者に対し、事前に調剤する保険薬局を聴取し、つまりどこの薬局を使っていますかを患者さんに聞いて、

その薬局の電子処方箋の対応状況を確認する。その薬局が電子処方箋を使っているかどうかをまず確認する。

そして「ウ」ですね、電子処方箋を発行する。なるほど。手順が書いてあるということですね。

(大西)そうです。基本的にはお薬を出した時にチェックをかけて、患者さんにどこの薬局でお薬をもらいますかと聞いて、

どこどこ薬局ですと言ったら、わかりました、処方箋を発行しますねとやるだけなのですが。

(高山)だから保険薬局側で電子処方箋の対応をしているかどうかも重要ということですね。

(大西)これは事前に先生たちは分かっているはずなので。

(高山)毎日やっていればだいたい分かりますよねということですね。

(大西)というのと、薬局はもう80%を越えているのでほとんどがやっているのです。

(高山)そういう前提ですね。

万が一やっていないところもあるので確認しましょうということです。

(大西)万が一やっていないところがある場合は点がとれないのですよね。そしたらどうするのですか。

薬局を変えてくださいという感じになるのですか。

(大西)そうです。変えてくださいとなります。

(高山)じゃあ薬局側はそういうインセンティブが効くというか。

(大西)薬局さんは電子処方箋をやらないと処方箋が来なくなるという怖さがあるのですよね。

(高山)そういうことですね。じゃあ会話としては先生側から、電子処方箋をやらないと患者さんを送れないよ、という会話がなされるということですね。

【実務上の課題とシステムの仕様】

(大西)ただこの面倒くさい作業に10点しかくれないというのは、もうやらないということなのです。

(高山)10点は100円です。これ医師がやるということだとそうかもしれないですが、事務スタッフさんなどがやるのではないですか。

(大西)やれないのです。

(高山)やれないのですか。

(大西)法律的にやれないのと、これは医師がやらないといけません。

電子カルテの画面を見て、医師が自分のIDカードをかざさないとこの機能は動かないのです。

(高山)毎回やるのですか。

(大西)IDカードを1回やると全部できるのですが、ただずるいやり方もあります。

医師のIDカードを貸し借りすればできるよねという話はあります。

(高山)クラークがいれば問題ないですよね。

(大西)そうですね。クラークさんがやるのだと思いますよ。

診察室があって、横にクラークがいて、電子処方箋にしてくださいと言った瞬間に、医療機関はざわっとします。

(高山)なぜざわっとするのですか。

(大西)電子処方箋切り替えスイッチみたいなボタンがあってそれを切り替えなきゃいけないのです。

その切り替えをすると全患者が電子処方箋対応に変わってしまうのですね。

(高山)そうなのですか。

(大西)処方の作業をしたらまた電子処方箋をオフにしなきゃいけないのです。

これ切り替えを間違えちゃうと、電子処方箋にしたくないのも全部電子処方箋になってしまうのです。

(高山)それは、処方箋発行だから、電子カルテ側の機能がそうなっているということですね。

(大西)そうです。

(高山)これはもう共通でそういう風になっているのですか。

(大西)だから仕様を見直した方がいいのではないかという話はあるのですけどね。

例えば患者さんを電子処方箋と指示してポチッと押したら勝手に電子処方箋になるとか、

でも他の患者さんはならないとか、そういうのをあらかじめ設定できる仕様にしてほしいなと思います。

(高山)薬局を読み込んだら分かるという風にしておいてほしいですよね。

(大西)ただ難しいのが薬局を指定してはいけないのです、医療機関は。

(高山)ですよね。だからいろんな法律が少しややこしくなっています。

電子処方箋がうまくいかない理由はそこかもしれないですね。問診票で最初に薬局名を聞かれないですもんね。

(大西)聞いてはいけないみたいですね。

患者さんが指定するのはOKで、医療機関が指定するのはNGなので、別に聞いていいのでこれからは聞き出すかもしれないですね。

(高山)ですよね。これだって手順「ア・イ・ウ」の「イ」が「聴取し」と明示されているので、聞くことはOKなのですよね。

(大西)ただ、オンラインに限った点数なので。オンライン診療をしている時に問診票はとらないですよね。

(高山)取らないですか。

(大西)オンライン診療は画面でやるので、Web問診はするかもしれないですが、しないケースも多いですよ。

(高山)これからやるのでしょうね。

Webで予約する時にWeb問診が走って最初にそこでチェックしてもらうのでしょうね。どこの薬局を使いますかみたいな。

(大西)そうですね。

(高山)セットもありますよね。薬配はここを使いますみたいな。

(大西)だからオンライン診療しかやっていないクリニックはこれを使ってくるのではないかと厚労省は思っているのではないでしょうか。

【今後の改定予測】

(高山)わかりました。

(大西)最後一言だけ付け加えると。

オンライン診療しか限定しないということは、次の改定でオンライン診療以外に拡大されるという風に僕は判断しましたね。

(高山)なるほど。そう読んだわけですね。

(大西)遠隔とつけば、遠隔をとれば、電子処方箋活用加算に変わるので。点数の名称づけがうまいなと思います。

(高山)だんだんそういう予測もつくようになるわけですね、大西さんが。

(大西)情報通信機器電子処方箋活用加算みたいにしなかったので、遠隔を消す気でいるなと読みます。

(高山)これはあくまでも予測ということですね。

(大西)予測です。

あとはややこしいことに医学管理を算定する患者なので、医学管理を算定していない患者はやらないので、

ここも名称から医学管理を消せば、情報通信を用いた患者全てになるかもしれないです。

(高山)そうですね。一気にやるとハレーションもありますし、だんだんこうやってジリジリと攻めていく感じですね。

(大西)今回オンライン診療は電子処方箋の流れに巻き込まれていて、

これでたぶんオンライン診療をやっているとすると1割が進むのだと思います。

残りの9割を次10年改定で考えているのかなという感じです。

(高山)分かりました。今日も時間になってしまいまして、いくつかまだ残っていますので、続きはまた次回以降にしたいと思います。

(大西)承知いたしました。

(高山)今回もありがとうございました。

(大西)ありがとうございました。

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この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。

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