
2024年、最新のデータでは外国人観光客数や在留外国人数が過去最高となっており、町のクリニックでも外国人対応の需要が高まってきています。
本記事では、クリニックでも使いやすい医療通訳サービスについて、選び方や各社サービス特徴を比較しやすくまとめました。
医療ツーリズムと外国人受診者増加の現状
2024年の世界の医療インバウンド市場は約10兆円規模に達しており、日本政府も医療インバウンドを重要な成長戦略と位置付けています。
また、在留外国人も過去最高数に達しており、日常的にクリニックでの診察が必要になる外国人も増加しています。
クリニックにおいても、診療圏が観光地に近いまたは外国人居住者が多い場合や、医療ツーリズムの外国人を受け入れる経営戦略がある場合は、医療通訳を検討する必要があると言えるでしょう。
「医療専門の通訳」である必要性
ある程度日本語が話せる外国人の方でも、受付~支払いといった受診フローや、日常で使わない病歴や服薬歴といった情報を適切に共有することは非常に難しいことです。
さらに、外国人の協力者(家族や友人)などに通訳を任せると、医療的なニュアンスが伝わらず情報伝達が不十分になるリスクもあります。
現在AIの発達により一般的な観光用・日常用の翻訳アプリも沢山登場していますが、医療事故や医療費未払いといったトラブルを回避するには、医療通訳サービスの活用が役立ちます。
また、在留外国人はアジア諸国出身者も多く、観光訪日外国人も中国からが半数を占めるといわれています。
医師やスタッフが英語を話せても、多言語で対応できるサービスを活用すると安心でしょう。
クリニックにおける外国人患者対応の具体的な困りごとの例
外国人がクリニックの患者になる際、具体的な困りごとはどのようなものか確認してみましょう。
下記は診療における一連の流れで起こり得るトラブルの一例です。
・保険資格の確認ができない
・支払い方法の説明が伝わらない
・問診票が難しい
・システムの使い方の説明
・症状の正確な把握が困難
・既往歴の確認に時間がかかる
・アレルギー情報の聞き取りが不十分
・処方薬の説明が伝わりにくい
・電話での症状確認ができない
・救急対応時の意思疎通が困難
・同意書の取得に時間がかかる
・家族への説明が複雑
・次回予約の調整が難しい
・治療計画の説明が不十分
・服薬指導が確実にできない
・経過観察の重要性が伝わりにくい
医療通訳の種類
対面通訳
医療通訳者が直接医療機関に赴き、患者と医療従事者の間で通訳を行います。表情やジェスチャーといった非言語の情報を含めてやり取りできるため、信頼性の高い通訳方法です。
ただし、通訳者の手配や移動の時間・コストがかかるため、クリニックの日常や緊急時の対応には向きません。
電話通訳
通訳者が電話を介して、医療従事者と患者の会話をサポートするリアルタイムの遠隔通訳サービスです。急な対応や遠隔地の患者に適しており、24時間対応可能なサービスもあります。ただし、表情やジェスチャーを伴わないため、細かいニュアンスの伝達が難しいことがあります。
オンライン通訳(ビデオリモート通訳)
タブレットやPCなどの端末を使用してオンラインで通訳を提供する、こちらもリアルタイム遠隔通訳サービスです。音声だけでなく、患者や医療従事者の表情やジェスチャーを確認しながら通訳できるため、電話通訳よりも正確な伝達が可能になります。
デメリットとして、通信環境が不安定な場合、会話が途切れたり、遅延が発生することがあります。
機械翻訳(AI)を活用した通訳支援
AIを活用した自動翻訳ツールを用いる方法で、医療機関の受付業務や診療補助で活用されています。低コストで迅速な対応が可能といったメリットがある一方、医療特有の専門用語や文脈を完全に正しく翻訳できないケースもあります。
日常会話や受付は機械翻訳を活用し、必要に応じて人の通訳を併用するのがおすすめです。
クリニック向け医療翻訳・通訳サービス詳細情報

| 通訳・翻訳方法 | 電話通訳・ビデオ通訳・AI翻訳 |
| 対応言語 | AI翻訳は最大107言語の希少言語対応 |
| 対応時間 | 24時間365日 |
| 金額 | 初期費用+月額費用 個別見積もり |
| 利用環境 | インターネット(WEB)環境 アプリ利用の場合はタブレットやスマートフォン |
(出典:メディフォン株式会社公式サイト)
メディフォンは導入施設数88,000以上を誇る、医療通訳・文書翻訳・外国人受け入れ支援サービスです。
端末やインターネット環境については柔軟な対応が可能とのことで、SIM付きの端末の貸し出しや電話回線での利用も相談可能とのこと。(DOCWEBインタビューより)

| 通訳・翻訳方法 | 電話通訳・ビデオ通訳 |
| 対応言語 | 電話通訳も22言語で対応 |
| 対応時間 | 24時間365日 |
| 金額 | 従量課金制・定額制を柔軟に個別で見積もり |
| 利用環境 | インターネット環境 タブレット、スマートフォン、パソコンなど多様に選択 |
メディウェイは、東和エンジニアリングで運営する医療通訳専用コールセンターが24時間対応する医療通訳サービスです。
専門研修を受けた医療通訳スタッフが、文化に寄り添った高品質の通訳を提供しています。
(出典:東和エンジニアリング公式サイト)

| 通訳・翻訳方法 | 電話通訳・ビデオ通訳 |
| 対応言語 | 中国語・韓国語・英語 |
| 対応時間 | 24時間 |
| 金額 | 初期費用 ¥60,000〜月額 ¥20,000〜、通話回数制 |
| 利用環境 | インターネット環境、電話環境 端末制限なし |
(出典:JMIS公式サイト https://www.jmis.co.jp/)
メディコールは申し込みから最速3時間で利用可能な、医療通訳士による遠隔医療通訳を提供するサービスです。
端末制限やブラウザ制限なく自由度が高く、Skype・FaceTime・固定電話にも対応しています。

| 通訳・翻訳方法 | 電話通訳・ビデオ通訳 |
| 対応言語 | 英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語 |
| 対応時間 | 24時間365日対応 |
| 金額 | 要お問い合わせ |
| 利用環境 | インターネット環境、タブレット |
(出典:ニチイ公式サイト https://medi.nichiigakkan.co.jp/service/medical/global-talk/)
おまかせグローバルトークはニチイホールディングスが運営する、タブレットを利用した遠隔通訳サービスです。自社コールセンターには通訳者が常時150名以上在籍し、いつでも安定した医療通訳を受けることができます。

| 通訳・翻訳方法 | 純国産AI翻訳エンジンによる音声翻訳、テキスト翻訳 オプションでビデオ通話翻訳VoiceBiz®Dialと連携 |
| 対応言語 | 音声翻訳13言語、テキスト翻訳30言語 |
| 対応時間 | 24時間365日利用可能 |
| 金額 | 初期費用100,000円 利用料 1カ月5,000円/台 |
| 利用環境 | インターネット環境、タブレット・スマートフォン端末 |
(出典:TOPPANBIZ公式サイト https://solution.toppan.co.jp/newnormal/service/voicebiz_medical_solution.html)
VoiceBizはTOPPANホールディングス株式会社(旧:凸版印刷株式会社)の医療機関向け音声翻訳アプリです。オプションでビデオ通話による通訳にも対応します。受付やコミュニケーションで困る、看護師業務で困るといった場合に、定型文テンプレートを活用してコミュニケーションをとることができます。
※現在資料DLいただけるサービスは「メディフォン」のみとなっております。随時追加予定です。
まとめ
本記事では、クリニックでも導入しやすい医療通訳サービスを比較し、それぞれの特徴を詳しく解説しました。
対面・電話・ビデオ通訳、そしてAIを活用した機械翻訳など、多様な選択肢があるため、診療環境や患者層に応じた適切なサービスの導入の検討が必要です。
本記事が、サービス選定の一助となれば幸いです。
参考:
(※1)日本政府観光局統計データより
令和6年3月22日出入国在留管理庁 報道発表資料
2024年12月11日経済産業省 第1回 医療インバウンドの適切な推進の在り方に関する検討会 事務局説明資料
クリニックDX向け補助金・支援金情報(2026年度)
デジタル化・AI導入補助金2026(旧:IT導入補助金)
| 管轄 | 中小企業庁・中小機構等 |
| 主な対象 | 中小企業・小規模事業者等 |
| 想定用途 | WEB予約、WEB問診、勤怠管理、会計・請求、 オンライン診療、AI関連ツール等 |
| 補助率・補助額 | 通常枠は1/2以内、一定要件で2/3以内、補助額は5万円以上450万円以下 |
| 注意点 | 登録済みのIT導入支援事業者・ITツールのみ対象 |
働き方改革推進支援助成金
| 管轄 | 厚生労働省 |
| 主な対象 | 病院・診療所等を含む中小企業事業主等(医療・福祉は常時使用労働者300人以下) |
| 想定用途 | 勤怠管理、労務管理、予約・受付効率化、自動精算機、業務時間短縮設備等 |
| 補助率・補助額 | 対象経費の3/4以内(一部4/5)、成果目標ごとに上限額あり |
| 注意点 | 労働時間短縮・年休取得促進等の成果目標設定が必要 |
業務改善助成金
| 管轄 | 厚生労働省 |
| 主な対象 | 中小企業・小規模事業者等 |
| 想定用途 | 受付省力化、問診システム、タブレット、自動釣銭機、勤怠管理等 |
| 補助率・補助額 | 最低賃金引上げ額・対象人数等により変動 |
| 注意点 | 最低賃金引上げと生産性向上投資をセットで実施する必要あり |
※補助金・助成金の内容は年度や公募回によって変更される場合があります。導入予定のシステム・設備が対象となるかを含め、最新の公募要領や公式情報をご確認ください。

医療機関向けの情報発信を行う一般社団法人 DOC TOKYOの編集部門として、クリニック運営・医療業務・医療ITに関する情報を調査・編集しています。
医療機関やサービス提供事業者への取材、公開情報の確認、製品・サービス情報の整理を通じて、医療現場の実務と経営判断に役立つ比較・検討材料を提供しています。
- メルマガで最新情報に簡単アクセス
クリニック経営に役立つ最新情報をお届け! - 開業に役立つ記事・動画が見放題
DOCWEB限定動画や厳選された情報で、円滑な開業準備をサポート! - クリニックに合った製品・サービスがすぐに見つかる
手間なく、効率的に情報収集。DOCWEBならではの充実した比較・検討が可能! - 気になる製品・サービスの資料を無料ダウンロード
詳細情報をすぐに確認でき、納得の選択ができる!

