「ファストドクター」と「千葉大学」、新型コロナの経口治療薬の治験で産学連携

日本最大級の医療プラットフォームを運営するファストドクター株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:菊池 亮(医師)、水野敬志、以下「ファストドクター」)は、千葉大学大学院医学研究院精神医学教室 新津富央 准教授の研究グループが実施する、比較的安価で安定的な一般供給が期待できる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新しい治療薬に関する治験において、治験参加者に対する迅速なリクルートメントの支援を2023年3月8日から開始した。
COVID-19に関する治験は、患者の初期スクリーニングからマッチングまでのリードタイムが非常に短いことが課題であり、千葉大学はCOVID-19に対する豊富な診療実績を持つファストドクターをパートナーに選定したもの。ファストドクターは2023年2月より治験支援事業を展開しており、本件が2例目となる。

本治験の背景

現在流通しているCOVID-19の経口抗ウイルス薬には、供給難や高価といった特徴があり、また、5類移行後に公費負担の終了となった場合、検査や治療控えの患者が増えることが懸念される。
精神疾患の治療に広く用いられている比較的安価なフルボキサミンが、COVID-19の重症化予防に有用であると2021年に報告されているように、本治験(※)を経て自宅療養でも使用しやすい治療薬として期待される。しかし、COVID-19の患者は療養期間が短いため、早期な治験参加者のリクルートメントの面で課題があった。そこで今回、COVID-19の豊富な診療支援実績を持つファストドクターの治験支援事業を活用し、迅速なリクルートメントと治験の開始を目指すこととなった。

※国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)では、COVID-19および公衆衛生危機管理上、医薬品等の確保が必要な感染症等に対して令和4年度「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」に係る3次公募を行い、千葉大学大学院医学研究院精神医学教室 新津富央 准教授の研究グループの「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するフルボキサミンの重症化予防効果に関する医師主導治験(FLVOCCO study)」という研究開発課題が採択されている。

本治験に対するファストドクターの治験支援事業

ファストドクターは理念とする医療アクセスへの課題解決のもと、2023年2月から治験実施医療機関を対象とした分散型臨床試験(DCT)支援を開始している。

発症から早期の治験参加を必要とするCOVID-19の患者に対する初期スクリーニング・患者への治験説明・同意取得サポートといったリクルートメント支援や、在宅で治験を行うための全体オペレーション設計および訪問看護師とオンライン診療を組み合わせたD to P with Nから処方薬の宅配等まで、診療以外の業務を一貫して行うことができ、治験全体のスピードアップを実現する。

本件は千葉大学に対し、課題となっている治験参加者のリクルートメント支援を行うもの。
ファストドクターのプラットフォームを通じて診療を行った患者のうち、下記を対象とした迅速な初期スクリーニング・説明・同意の取得を担う。

【リクルートメント対象者】
・37.5°C以上の発熱とその他の自覚症状がある方
・軽症〜中等症Ⅰの方
・50歳以上の日本人成人または、重症化リスクを有する40歳以上の日本人成人
・PCRや抗原検査でCOVID-19陽性が確認されて3日以内の方
・自家用車またはファストドクターが手配する搬送にて、午前中に千葉大学病院へ受診できる方

本支援によって、比較的安価で安定的な一般供給が期待できるCOVID-19治療薬の開発に貢献し、5類移行後も生活者が安心した療養生活が送れることが期待される。今後もファストドクターは、官民学を問わずプラットフォーム内の資源を共有・活用することで医療の発展に貢献していく。

本件に関するお問い合わせ先

ファストドクター株式会社
所在地:東京都港区芝4丁目5-10 EDGE芝四丁目ビル3F
電話番号: 03-6387-3499
URL: https://www.fastdoctor.co.jp/