心理的安全性、クリニックでどう作る?_『院長が悩んだら聴くラジオ』シーズン2_エピソード124全文書き起こし

心理的安全性、クリニックでどう作る?_『院長が悩んだら聴くラジオ』シーズン2_エピソード124全文書き起こし

DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。

(高山)
おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。

(大西)
おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。

(高山)
院長が悩んだら聞くラジオ、第124回始まりました。

(大西)
よろしくお願いします。今日のテーマは何でしょうか?

(高山)
前回の続きで、心理的安全性をクリニックに落とし込む方法ということで、具体的な内容に入っていきたいと思います。

(大西)
クリニックの研修をやらせていただいていて、非常にここが一つ、「大西さん、また変なこと言い出したよね」っていう第1回目、ここの乗り越え方がすごく難しいです。

実は、研修を受ける体制が全然なくて、実はこの心理的安全性は、僕も受ける側も確保できてないんだろうなっていう風に感じるので、そのあたりをちょっと話せたらなと思います。

自走型組織とPDCA

(高山)
では、クリニックに本当に心理的安全性を取り入れる必要があるのか、というところから前回も少し懐疑的なお話もさせていただきながらなんですけども。

言葉とかに左右されるのではなくて、本質的にクリニックの組織が自走型組織になるために必要な環境って何なんだろうということで、

いくつか要素があると思うので、大西さんそのあたり教えていただけますか。

(大西)
端的に言うと、PDCAが回せる組織というのが自走型組織です。

プランが立てられる、実行ができる、そしてその後、確認・チェックができて、再度アクションが起こせる。

これができないのが自走していない組織、トップダウン組織ですね。

(高山)
これは結構、耳が痛い先生も多いんじゃないでしょうか。

(大西)
僕自身も痛いですよ。

自分がやった方が早いと思う先生がすごく多いですね。

(高山)
実際、早いでしょうからね。

(大西)
早いです。だってみなさん、めちゃくちゃ賢いですから。

(高山)
10人力、100人力の先生も多いでしょうから。

ただ、そればかりやっていると、自分の仕事ばっかり増えてやるべきことに集中できないので、全体的には巡り巡ってあまり上手くいかないですよねっていう話ですね。

(大西)
どっかの回であった「分院展開」の時に必ず躓きますね。

(高山)
1店舗ならまだいいけど。

(大西)
2店舗、3店舗じゃその10人力、100人力は利かない。

その場にいないですからね。

先日も先生たちと喋ってましたけど、やっぱり任せるのむずいよねってみんな言ってますね。

(高山)
特に1店舗目って丁寧にやりたいですし、文化の醸成をしたりとか、ブランドを作る時なので、やっぱり細かく手を入れて仕上げていきたいっていうのは強いですよね。

(大西)
ただ、そこの丁寧な分、やりすぎちゃってるところはあるのかなとは感じますね。

(高山)
やればやるほど手放れせずに自走型の組織とは程遠くなっていくという、この矛盾をどう解決していくのかというのが今回のヒントですね。

会議を活性化させる手法

(大西)
クリニックのスタッフさんたちがまず会議をする時に、院長主体の会議が……どっかの回でもしましたよね、ファシリテーターの話で。

院長がなるべく会議の議長はやらない方がいいよって話をしたと思うんだけど。

やっぱりみんなが、誰か別の人が会議の主体となる時にこれが必要だなと感じているんです。

意見が出やすくなる。

(高山)
議長じゃなくて、司会はしない方がいいよってことですね。

(大西)
司会をしない方がいい。

司会をする時に、司会が死ぬんですよね。
司会が立てる、議題を話す、誰も話さない、会議が終わる、何も結果が出ない。これはすごくプランが立てられないので。

次に、今度は司会が綿密にプランを立てていき、「これでいきたいんだけど、どう思う?」っていうのがこれまでのやり方なんだけど、これはみんなが意見を言いにくくなる、実は問題なんですよね。

練れば練るほど隙がなくなるんで、意見が「いいんじゃないですか」ってなっちゃうんですよ。

(高山)
テーマ設定の仕方にもよるかと思うんですけど、荒い感じのテーマだと議論をする。

でも例えば、「この件をこういう風にしてほしい」って院長から言われたんだけど、「みんなでアイデア出して何とかしましょう」みたいな、絞られたもののテーマだと、

「院長がそうやって言ってるんだから、それでいいんじゃない」ってなりがちだなと想像しました。

(大西)
まさにその通りで、意見が出やすいようなテーマ設定をする。

身近な言葉に置き換えてテーマ設定をすることが多いです。

(高山)
例えばどういう感じですか。

(大西)
自分がスタッフの立場で普段から問題だなと思っていることは、意見が出やすいんですよね。

例えば、「予約の取り方が変だよね」とか「待ち時間、うち長くない?」とか、あと「患者さんとの話し方、ちょっとフレンドリーすぎない?」とか、日頃からちょっと意見が出てるやつを拾います、まずは練習なんで。

解決しやすそうなやつからスタートしてみて、まずは解決できることを実践してもらう。

そうすると、だんだんテーマを難しくできるようになる。

(高山)
いきなり難題を言われても答えが出なくて、「やっぱり難しいね」で終わっちゃいますからね。

(大西)
よく僕らなんかが「問題解決会議」という風に話をして、一応問題提起は僕がします。

そして実際に司会や進行はクリニックのスタッフに任せるんだけど、ここで一つ、僕は種明かしじゃないけど、人数を4人までに絞っているんですよね。

4人を3ユニットとか、4人を4ユニットという風に分けてやっているんですね。

(高山)
小グループ単位で話し合いやすい環境を作っているということですか。

(大西)
グループで話し合ったことを後で発表して、総意を取っていくってやるとすごく面白いことがあって。

4人で話して最後12人に戻しても同じ意見なんですよ。

組織って似るんだよね。

(高山)
それって良いとか悪いとかじゃなくてそういう風になっていくので、結果が同じだったとしても、小グループ単位でみんなに話してもらって、参加感が出てくるっていうのが良い点なんですかね。

(大西)
いきなり12人は難易度が高いので4人でやる。

その後、3チームの代表者が発表すると、結局総意が一緒であることに気づいてもらう。

そうすると、この4人をまた戻して12人、4人を戻して12人っていうやり方を覚えてもらっています。

これを実行すると、12人の時に話さない人が4人だと話す。

これが人数的なハードルを下げるという一つのもの。

もう一つハードルがあるのが、「発表が怖い」って人もいるんですよ。

この時、まず言っているのは、「発表に対してまず最後まで聴きましょう。途中で話を挟まないでください」っていうのが一つ。

あと「変な発表があったとしても、それを受け止めましょう」。

あとは「頭からできないと思わないでください」っていうのを先に言っていますね。

これを先に言っておくと、あと「発表終わったら拍手しましょう」っていうのもやってるかな。

(高山)
そういうルール作りは大事ですよね。

何もないとそれぞれの理解になっちゃって、「言ったら良くないんじゃないかな」ってやっぱりそういうネガティブになってきますからね。

(大西)
その時に主語を「我々」に変えてもらっています。

「私はこう思う」じゃなくて、「我々のチームではこういう意見が出ました」

こうすることによって怖さが減るというか。

(高山)
それはすごく良いですね。

(大西)
発表するのが怖い、話し合うのが怖い、意見を言うのが怖いという、日本特有の問題。

前回お話しした「和を以て」という、聖徳太子以来ずっと続いてきたものが、「意見を言っても和は乱れない」ということに気づいてもらっています。

意見を言うことで和が乱れないことを実証すると、「意見言うとより良くなるんだ」というブラッシュアップのイメージがついたら、もうその組織は前に走り始めていますね。

(高山)
そのきっかけになるでしょうね。
まずその前提を作ってあげないと始まらないってことですね。

(大西)
恐怖を取り除く。

これをちゃんと論文にまとめて「日本版心理的安全性」って作りたいぐらいですね。

(高山)
上司が「心理的安全性とは」って……これは難しいな、やっぱり「心理的安全性」っていう言葉を使うと、そっちに引っ張られちゃいますね。

日本版の自走型組織論、そっちに持っていった方がいいかもしれないですね。

(大西)
自分の例えば組織の時に、実際に僕がやっていたのは、やっぱりテーマを決めてみんなで議論をしてって上手くいかなかったんで小分けをしたし、あえて僕がリーダーなので、その会議に出なかったりしました。

「後で意見の時に行くね」って。

なんか上手く三角形の組織をフラットにしなきゃいけなかったので、ちっちゃいフラットを作っていったって感じかな。

(高山)
12人の場合4人ずつにしたっていう事例を教えていただきましたけど、4人でもあまり意見が出なかった場合ってどうしたらいいですか。

(大西)
2人。

(高山)
やっぱりそうですよね。僕もそう思ったんですよ。

2人だと喋らざるを得ないじゃないですか。

(大西)
だから「1on1」っていうのが今の流行りの言葉で言うとそうなるんでしょうね。

(高山)
これもまた今度やりたいですけど、1on1もやり方一つで成果出る・出ないがあるらしいので。

(大西)
あるある。1on1が地獄だったりしますからね。

「なんかある?」「何もないよ」っていうトラブルがよく起きてますね。

(高山)
またそれは今度の回にしたいと思います。

まとめ

(大西)
2回に分けてせっかくお話ししたからまとめをしたいんだけど、心理的安全性という問題に対して、そのままスッと受け入れられるような日本はそんな文化ではないです。

その中に、じゃあ日本にアジャスト、適応させるためにはどうすればいいのかという時に、先ほど高山さんがおっしゃったように、大前提を結構調整することが必要。

なぜこれをするのか。
なぜこの会議が必要なのか。

先ほど言ったように、ちっちゃな成功を積み重ねていって大きなテーマに取り組むという、時間がかかるけど成功体験がすごく大事だなと。

あとは意見言ったことに対して、「ああ良かった、意見が言えて」っていうこのホッと感がすごくいいな。

専門学校で一回実験したんですけど、最初一言も喋れなかった人たちが、1年かかって100人の前で喋れるようになったんですよ。

それは多分これの繰り返しだったんですね。
2人で話せるようになり、4人で話せるようになり、8人で話せるようになり、「あれ?8人から上はもう全部多いな」という風に理解してくれたので。

一応みんなに言ったのは、「1人でも2人でも聴いてくれる人がいればそれでいいよ」っていう話をしたら、緊張というよりは、格好つけなくなったかなっていうのも言っていましたね、実験の結果。

「いい意見を言おう」なんて思わないと。

自分の考えてきたこと、これまでディスカッションしたことをただ発表するだけなので、気負わない。

(高山)
すごく大事ですよね。

個におけるその壁の突破っていうところと、さっき大西さんがおっしゃっていた「我々は」っていう主語を変えていくっていうのもすごく大事だなと。

「我々は」ということにすると、自分の意見じゃなくなるというか、個を守るためのものじゃなくなるので、

組織を守るためにこれが必要なんじゃないか、
組織を発展させるためにとか、
患者さんにより良い診療体験を提供するために我々がすべきことは、

ということでみんなでやるべきことを話し合えるというのは、すごく大事だなっていう風に思いました。

(大西)
ありがとうございます。

(高山)
ということで、今回2回にわたって、心理的安全性というキーワードをきっかけに、自走型組織をどうやって作っていくのかということで話し合ってきました。

まだまだ自走型組織を作るために必要な要素、たくさんありますので、また次回以降語っていきたいと思います。
大西さん今回もありがとうございました。

(大西)
ありがとうございました。

(高山)
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この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。