
株式会社シード・プランニング(本社:東京都文京区、代表取締役社長:梅田 佳夫)は、オンライン診療サービスに関する国内市場調査を実施し、利用者500名へのアンケートおよび事業者・自治体へのインタビュー結果を公表した。
オンライン診療市場はコロナ禍の規制緩和を契機に拡大が続く。
現在は単なる遠隔受診にとどまらず、予約、服薬指導、電子処方箋、データ連携までを含めた医療プロセス全体の再構築を担う存在と位置づけられる。
本調査は、人口減少や医療資源の偏在、医療従事者の負担増といった構造課題を背景に、医療提供体制の効率化に資するオンライン診療の実態把握を目的として実施された。

シード・プランニングの調査によると、2026年のオンライン診療市場は以下の通りである。
- 保険診療:891億円
- 自由診療:357億円
- 合計:1,248億円
今後は2030年に1,735億円、2040年には2,591億円まで拡大する見通しとされている。
オンライン診療市場の拡大には、自由診療領域の伸長が大きく影響している。背景にあるのは、AGA、低用量ピル、美容医療、肥満治療などの分野で、診療から処方、配送までをオンラインで完結できる仕組みが広がっていることだ。これらの領域では、継続利用を前提とした高単価のサービス設計がしやすく、従来の対面診療では取り込みきれなかった需要の掘り起こしにつながっている。
制度面では、医療法改正により「オンライン診療受診施設」が制度化された点が注目される。医療機関外での受診を可能とするこの枠組みは、駅や商業施設、オフィスなどへの設置が想定されており、医療アクセスの拡張につながる可能性がある。
これにより、自由診療領域のみならず保険診療領域においてもオンライン診療の利用拡大が期待される。
利用者調査では、オンライン診療の利用経験率は全体で6%にとどまった。
年代別では以下の傾向がみられる。

20〜49歳で利用が先行しており、年代が上がるほど利用経験率は低下する。スマートフォン操作やオンライン決済への習熟度が、利用のハードルに影響していると考えられる。

エリア別では、都市部での利用経験率が11%と最も高く、市街地・郊外は6%、山間部・離島は4%となった。
都市部では、サービス認知や対応医療機関の多さ、デジタルツールへの親和性に加え、通院時間短縮といった利便性が評価されやすい。一方、地方では通信環境や医療機関の対応状況、利用方法の理解不足が普及の障壁となっている可能性が示唆された。
本調査結果から、オンライン診療は自由診療を起点に市場が拡大しつつ、制度整備によって保険診療にも波及していく構造が読み取れる。
既存クリニックや新規開業を検討する医師にとっては、オンライン診療を前提とした診療体制の設計の重要性が増す。
自由診療領域と組み合わせた収益モデルの再考に加え、デジタル機器の利用が進んでいる若年〜中年層を意識した診療フローの構築から、今後の制度拡張を見据えオンライン診療体制を視野に入れた中長期的な経営戦略が求められる。
調査概要
調査期間:2026年2月〜2026年4月
調査対象:一般消費者(本回答500名)、事業者・自治体7団体
調査方法:アンケート調査、ヒアリング調査、オープンデータ収集
調査主体:株式会社シード・プランニング
企業情報
会社名:株式会社シード・プランニング
代表取締役社長:梅田 佳夫
所在地:東京都文京区
設立:1983年2月
事業内容(概要):市場調査およびコンサルティング事業
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DOCWEB編集部(一般社団法人 DOC TOKYO)
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