
DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。
▼ゲスト:奥井伸輔(株式会社Cubec共同創業者 / 代表取締役CEO)
名古屋大学理学部卒業後、外資系製薬企業にて営業・マーケティング・組織文化開発に従事。京都芸術大学でのデザイン思考の学びを活かし、医療ITスタートアップにて、国立循環器病研究センターを中心とした研究プロジェクトに企業代表として参加。医師の意思決定を支援する生成AIの社会実装を目指し、株式会社Cubecを創業。
▼ゲスト:朔啓太(医師 /株式会社Cubec 取締役 医学統括)
2007年熊本大学医学部卒業。九州医療センター、九州大学病院での診療を経て、現在は国立循環器病研究センター循環動態制御部に所属。神経刺激カテーテルの開発により、第2回AMED理事長賞を受賞。循環動態研究を基礎として、様々な医療機器開発に取り組んでいる。AMED橋渡し研究プログラムや医療機器等研究成果展開事業などのプログラムオフィサーおよび評価委員も務める。
(高山)
おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。
(大西)
おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。
(高山)
院長が悩んだら聞くラジオ、第111回始まりました。大西さんよろしくお願いします。
(大西)
よろしくお願いします。今日のテーマは何でしょうか?
(高山)
今日のテーマはですね、実はゲスト回なんですけれども、「医師版ChatGPT」です。
(大西)
「医師版ChatGPT」、医師版AIということですかね。
(高山)
AIって言うとかなり広いと思うんですけれど、今一般的にChatGPTの使い手って、相談相手になってもらったりとか、
わからないこと調べたりとかっていうのが広まっているなっていうふうに私としては一般人としては理解してるんですけども、
そういった、いわゆるChatGPTが広まっている状態のものが、医師にも広がっていくというようなイメージで、
ただ「一番」って書いてあるのがポイントだと思うんです。
ChatGPTを医師が使おうと思うと、どこまで使えるのかっていうのが不安なところがありますので、医師専用のChatGPTのようなものが現れたという新しい話題なのかなと思ってます。
(大西)
医師が相談相手ということで、診療現場で結構多くのケースで、これまでは検索というやり方をしていましたと。
次に多かったのが本を読み漁って、そこからデータを取ってくるとか、そういうケースの時に診察中にやりたいよねっていうのはずっと実はニーズがあったと。
そのニーズに対して先生たちは一生懸命、専門書を横に置いてたりとか、タブレットを持ってGoogleに聞いてみたりとかやってたんだけど、
一番の問題点はスピードもあるけども、エビデンスっていうところがすごく鍵なのかなという感じはしますので、
そのあたり一番相談相手になり得るかという話かなというふうに勝手に想像しています。
(高山)
ではこの後ですね、その開発されている会社である方々をお招きしてやっていきたいと思いますので、今回もよろしくお願いします。
(大西)
お願いします。
医師専用ChatGPTとかかりつけ医機能報告制度
(高山)
ということで今回は医師専用のChatGPTが生まれたというお話なんですけれども、
まずですね、厚労省は外来クリニックをかかりつけ医として位置づけていきたいというメッセージが最近私はビンビン来るんですけれども、
その結果、近未来どういうふうになっていくかっていうと、クリニックって専門特化のクリニックよりも、
総合診療に近いクリニックが増えていかざるを得ないなというふうに感じてるんですけど、大西さん、そのあたりクリニックの先生とお話ししてて、肌感どうでしょうか。
(大西)
内科の先生は特にイギリスのGPの制度を参考に厚労省が動いてるなっていうことがわかっているので、どうやってかかりつけ医になろうかってことを考えています。
一方で他の診療科の先生たちは、今度私たちが取り残されるんじゃないかという危機意識を持っていて、
例えば耳鼻科さんとか皮膚科さんっていうところは、「私たちはかかりつけ医になれるんでしょうか」って質問があったりするくらい、
ちょっと高山さんのさっきの話になると、専門特化型のクリニックと総合診療型のかかりつけ医に分かれていくんじゃないかなっていう感じはしますね。
(高山)
専門特化は専門特化でもうそれでやっていきますみたいなクリニックは?
(大西)
近いところで言うと歯科に近づいていく科もあると思います。
皮膚科なんかはかなり歯科に近づいてきてるなっていう感じがしますね。
(高山)
そうかもしれないですね。患者側がこういう疾患だから皮膚科行こうみたいな、歯医者さん行こうみたいなのと同じ感覚ということですよね。
(大西)
歯医者さんって歯が痛いっていうニーズが昔はあったけど、今のニーズってどっちかというと歯の矯正とかインプラントっていうところで行ってるわけですよね。
皮膚科も同じですよね。皮膚の痒いからとか痛いから行くっていうよりは、だんだんと美容目的の皮膚科が増えてきているので、これは一つ厚労省が持っている専門特化型な診療科と思いますね。
(高山)
そうすると、かかりつけ医っていうのは内科の先生が中心になるんですか?
(大西)
あと一つ多分このご時世なので、精神科もかかりつけ医っぽくなると思いますね。
精神疾患を患ってる患者さんって精神科しか行かないんですよ。
だから精神科なんだけど心も体も病んでる可能性があるので、精神科と内科の連携ってこれから進んでいくと思うんですよね。
ですので、自分のかかりつけ医を一人選んでください。
普通の精神に疾患がない方は内科。
逆に精神に疾患がある方は精神科という形に僕はなっていくと思うので、あとは女性であれば婦人科なんかもかかりつけ医っぽい動きをするのかなっていう感じはします。
(高山)
かかりつけ医っていう言葉の定義自体が少しふわふわしてるところがまだまだあるでしょうし、
(大西)
ただ今回のかかりつけ医機能報告制度を見てる限り、幅広い疾患を見てほしいっていう厚労省のメッセージと、
専門は専門に任せてほしいっていうメッセージが見て取れるので、基本的には自分の専門外ということを認めて、しっかりと紹介に出してほしい、
そのあとちゃんと治療が終わった後にフォローアップをしてほしいという紹介・逆紹介みたいな流れはよく見えるなという感じは今回の令和8年の改定では見えましたね。
(高山)
今後患者が自分で判断できるものに関しては診療科を選んでいくということになりますけれども、
幅広く内科に相談しに行きますみたいなことが推奨されていくと思うので、今後強くですね。
かつ、この前も取り上げましたけれども開業規制というものができてきて、同じエリアでも診療科の偏りが出てきてしまう。
そうすると患者としてはどこに行けばいいかわからなくなってくるっていう実態も出てくると思うので、
逆にクリニック側としては色んな患者さんが来るようになるっていう可能性があるなと思うんですけど、そのあたりどうでしょうか。
(大西)
今ネット上でAI問診っていうものが結構流行ってきてて、ある会社さんが展開してるのが一番シェアがあるんですけど、
その会社さんとお話しした時にも感じたのは、患者さんが検索して診療科を選んでそして診察を受けるけども、外れるのもあるんですよね。
要は採血したりしてみないとわからない疾患ってたくさんあるんです。
その時に、採血してみて「これはうちの科では手に負えないから他の科に振ろう」とか、「これはもうすぐに入院した方がいい」とか、
そういう判断をスピーディーにやることがかかりつけ医の最も大事な技能というふうになる時に、
どこまで幅広く疾患を知っているかっていうのは結構大事なポイントで、内科も消化器とか循環器とかかなり専門性高いんですよ。
ここ10年20年やっと総合医っていう科があって、やってきましたけど、どうしても開業の時って浅く広くじゃなくて深く狭くってやりがちなので、このあたりが今厚労省が転換を求めてるんじゃないかなという感じ。
だから浅く広い先生にとっては今回のテーマってすごく大事な話なんじゃない?
(高山)
自分の専門外の患者さんが来た時にどこまで正確にと自信を持って判断していけるかっていうのはすごく大事だと思うので、
そういった意味で医師専用のChatGPTになるものみたいな似たようなものが世の中に出てくると、
先生としては安心材料というか、手元で分厚い何か資料を出さなくてもその場で解決していけるようなものがあると便利さっていう部分でもいいのかなというふうに感じているんですけども、
実はそういうものがすでに出来上がっているということでですね、今日はゲストにCubecさんという会社さんお呼びしてますので、ちょっと詳しく製品の概要も含めてお聞きしていきたいと思います。
臨床ナレッジAI「Cubec」について
(高山)
ということでCubecの奥井さん、おはようございます。
(奥井)
おはようございます。株式会社Cubecの奥井伸輔です。
(高山)
よろしくお願いします。
じゃあもう一方、国立循環器病研究センター、朔先生もお越しいただいております。よろしくお願いします。
(朔)
よろしくお願いします。
(高山)
このお二人のご関係からお聞きしてもよろしいでしょうか。
(奥井)
私たち3年前の2023年に株式会社Cubecを一緒に創業した経営メンバーでございます。
私が経営面を主に見まして、朔の方では医学的な部分を統括するという役割分担でやっております。
(高山)
ありがとうございます。
そうしましたら奥井さんの方から、今リリースしたばかりかと思うんですけども、どういったサービスを展開しているか教えていただけますでしょうか。
(奥井)
私たちが主に展開しているサービスは、臨床ナレッジAI「Cubec」です。これは先生方の診療中に発生する臨床疑問に出典付きで答える生成AIサービスです。
今日詳しくディスカッションできればと思うんですけれども、Webで検索しても出てこないような知識も含めて、私たち独自に整理してお届けしているのが特徴になります。
(高山)
Webに出てこない内容というと、専門書みたいなものでしょうか。
(奥井)
主にWebで無料公開されていない診療ガイドラインですね。
(高山)
そういったものは通常先生方は有料で課金をして自分で見ているというものになりますか。
(奥井)
今はご自身で本を揃えられるか、それから有料の医学事典的なサービスに登録されているかがメインです。
(高山)
そういった有料でしか見れないようなものや、ご自身で集めないとできないものが一つに収録されていて、ChatGPTのように色々と検索したり相談したりすることができると。
(奥井)
そうです。
(高山)
ちなみにこのCubecという製品、なぜ始められたのでしょうか。
(奥井)
まず私からかと思いますが、私自身は元々製薬会社で営業とマーケティングをしておりまして、クリニックの先生方ともたくさんお話しさせていただいていました。
そこで、先生方大きく負荷がかかっているなと感じていまして、一つは限られた時間、人的リソースの中で非常に忙しく診療されていること。
加えて冒頭にお二方のお話の中でもあった、幅広い患者さんを見ていらっしゃる。専門外の相談も日常的に見ていらっしゃるというところ。
加えて、新しい薬や診療ガイドラインのアップデートなど、知識のアップデートが頻繁に求められてくる。
これを一人で追いかけるのが本当に大変だなと感じていました。
その中で近年ちょうど生成AIが発達し始めたタイミングで、技術的にグッとご支援できるのではないかと思ったのがきっかけです。
(高山)
そういったAIについてエンジニアリングみたいなものも必要かと思うんですけども、奥井さんはそういった出自もあられるんですか?
(奥井)
私はなくてですね、取締役もう1名いまして、それが共同創業者でAI責任者の新田というものなんですけれども、
この新田がデータサイエンス一本一筋20年以上のキャリアでですね、私とは製薬会社で同僚で縁が始まっています。
(高山)
朔先生とはどういうきっかけだったんでしょうか?
(奥井)
朔先生とは、私が以前いた会社で、それは医療系のスタートアップで、先生方向けの学習動画のプラットフォームをしておりました。
この中で一緒にプロジェクトをすることがあって、ディスカッションも多く発生して、今のプロジェクトに繋がってきたという背景があります。
(高山)
取り組まれてどのくらいになるんですか?年数というか期間は。
(奥井)
会社自体は3年2ヶ月経ったところになります。
特に祖業としては心不全パンデミックを克服するソリューション開発を行っていまして、その中で医療に特化した生成AIというところをこのサービスに関しては1年間、1年前から着手し始めたものになります。
(高山)
心不全パンデミック対策、喫緊の課題としてかなり上がってる内容ですよね。
その対応ができるサービスも提供されてきているわけですね。
(奥井)
そうですね。その研究開発を創業当初から続けているというところですね。
この辺りも含めてもしかしたら朔にきっかけや思いなど含めて話していただくといいかもしれないです。
(高山)
では朔先生お願いします。
(朔)
Cubecの朔です。
大体3年ぐらい前にCubecを一緒に創業しまして、その時のキーワードは連携だったんですね。
クリニックとクリニックだったりクリニックと専門医だったり。
あまりに多くの患者さんがいると、特にこの心不全領域っていうのは非常に多くの患者さんがいるって中で、ちゃんと連携しないとなかなか上手くいかないだろうなっていうところがスタートでした。
連携の基本って多分コミュニケーションで、言っても人と人とのコミュニケーションなんですけど、円滑なこの医療コミュニケーションって、知識がベースとなるんだろうなと思ったわけですね。
ここでさっきの知識の話が出てくるんですけど、多分知識のなさってコミュニケーション自体を遠ざける。
要は全然知らないから聞けないというような話ですね。
あとはミスコミュニケーションも知識のなさって多く起こると思うんです。
なのでこの医学知識というところを持っとくってのはすごく大事なんだと思うんですが、医学知識って僕が生まれた頃は2倍になるのに大体7年ぐらいかかるって言われたんです。
僕が医者になった頃は大体3年ぐらいって言われてて、最近は70日ぐらいって言われてるんですね。
だからこんなに莫大に増える医学知識を多分一人の人がきっちり持っとくというのは無理だろうなっていうところで、
やはりこのコミュニケーションに関わるコストというところに、知識の保持とか維持とか、そういったものも入ってくるんだろうなというところを感じています。
今ご指摘いただいたように、心不全医療っていうのは非常にニーズが高い分野になってくると。
これは先ほどのテーマにもあった、何でも診れるお医者さん、もしくは浅く広いクリニックにおいてもですね、
この医療を受け持っていただくというのは必須になるというところから、的確に知識をコストなく先生方に届けるということをする必要があるんじゃないかという風に思ったわけです。
(高山)
かなり具体的な出発点があって、どちらかというとAIとかChatGPTとかっていうキーワードを聞いてしまうと、流行しているツール使ってますみたいなイメージが出てきてしまうんですけども、そうではないと。
実際に現場で抱えられている問題に対して、その一番のネックになっているのが知識量であって、そこに対して解決するためにAIを取り入れたと。
これから直面するであろう先生方の大変さっていうのを直接的にカバーできるものをツールとしてお作りになったということなんですね。
もうすでに導入は進んでいるものなんでしょうか。
(奥井)
昨年の12月に正式リリースしまして、現在4月24日時点で2000人弱の先生方に登録いただいています。
施設や病院ごとの契約ではなくて、一人一人の先生が個人の裁量で無料で使っていただくサービスになっています。
特にこの直近2ヶ月、3月、4月でですね、ご登録いただく先生の数、そしてご利用いただく数が急激に伸びている状態で、
まだ私たち積極的な宣伝ができていないんですけども、これからどんどん知っていただいてもっと使っていただきたいと思っているところです。
(高山)
この短期間に2000アカウントっていうのはかなりの急速な広がりだと思うんですけども、どのような点が受けていると思われますでしょうか。
(奥井)
大きく2つあると感じていまして、1つは私たち独自に医学データベースを作っているというところです。
ガイドラインに準拠した教科書レベルの体系的な知識を、Webで検索して出てくるものと出てこないものが混在している状態だと思うのですが、
出てこないものも含めてエキスパートドクターがゼロから書き下ろしていただいています。
そういったデータベースを1つ評価していただいています。
2つは先生方の診療業務、特に臨床判断を支援するような出力構造になっている点を評価いただいています。
出力には確かな一次情報を必ずセットでお出しして、ユーザーである先生が回答を確認できる、これが本当かどうか確認できるようにしております。
その上で臨床の次のアクションに関連する粒度と量で提示するようにしておりまして、そういった点が良いというフィードバックをいただいています。
結果として今検索いただく時間帯を見ますと、平日の朝9時から11時の時間帯がボリュームゾーンになっていまして、まさに診療業務の中で使っていただいているんだなと実感しているところです。
(高山)
クリニックと病院の先生どちらが多いでしょうか。
(奥井)
割合でみますと病院の方が多くて、病院に勤務されている先生が6割強、クリニックの先生が2対1ぐらいになっていまして、ポピュレーション通りかなとは思っているところです。
(高山)
使われる時間帯も病院、クリニック同じぐらいでしょうか。
(奥井)
病院の先生方は夜にも使われることがしばしば起きていまして、おそらく当直ですとかそういった対応にも使われているのかなと見ています。
(高山)
病院だとやっぱり救急病院だと心細い先生方もいらっしゃるのかなと。
特に若い先生はいらっしゃるので。特に親和性がすごい高いですね。
(高山)
それではそろそろ区切らせていただきまして、続きは次回にしたいと思います。それではまた次回もよろしくお願いします。
(奥井)
お願いします。
(朔)
お願いします。
(高山)少しでも気に入っていただけましたら、番組のフォローをぜひお願いします。新しいエピソードがいち早く届きます。
番組への感想はハッシュタグ「#院長が悩んだら聞くラジオ」をつけて投稿いただけると励みになります。
この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。
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