事務長は院長の方針をスタッフに浸透させるのが仕事~自走型組織編~_『院長が悩んだら聴くラジオ』シーズン2_エピソード130全文書き起こし

#130 事務長は院長の方針をスタッフに浸透させるのが仕事~自走型組織編~

今回のトーク

  • 事務長の仕事とは?
  • 院長とスタッフの橋渡しは一方通行が正解
  • 二人三脚の始まりは、言葉の定義から
  • 夫婦経営、求めすぎず線引きを
  • 院長と事務長は切磋琢磨しあう関係が理想

院長が悩んだら聞くラジオ。この番組は開業医の皆さんが機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。悩んでいても、悩んでなくても、通勤時間や昼休みにゆるっと聞いていただけると嬉しいです。

PODCASTエピソードはこちら

(高山)
おはようございます。パーソナリティのドックウェブ編集長、高山豊和です。

(大西)
おはようございます。パーソナリティのMICコンサルティング、大西大介です。

(高山)
院長が悩んだら聴くラジオ、第130回が始まりました。
キリ番ですね、突然ですが。
大西さん、今回もよろしくお願いします。

(大西)
よろしくお願いします。
130回、結構やってますね。

(高山)
130回まで来ました。

リスナーの皆様、質問をどしどし募集中でございますので、ぜひよろしくお願いします。

(大西)
ぜひ。今日のテーマは何でしょうか?

(高山)
先週に引き続き、事務長についてです。

(大西)
前回お話しした時に、最初から一緒に事務長をしてくれるような人、候補生がいたらいいのになという話をしましたが、そんな贅沢な話は抜いて、

当然後から入れなきゃいけない可能性もあるんですが、そもそも事務長の仕事って何だろうという話を今日できたらいいなと思います。

(高山)
では、この後よろしくお願いします。

(大西)
お願いします。

事務長の仕事内容と人間マネジメント

(高山)
事務長の定義というか、事務長に担ってもらうべき仕事内容とは何かという話なんですが、どうでしょうか?

(大西)
一般的に考えるとバックオフィス業務となるんですが、総務、人事労務、経理、あとシステム系、ホームページ系など、いわゆるバックオフィスだから表に出ない仕事なんだと思います。

(高山)
診察以外のほぼ全てみたいな感じですかね。

(大西)
経営に関わる全てですね。

(高山)
経営側ですもんね。

スタッフをどう育成していくかというか、あるべき姿に誘導していくかみたいな、これ「人事」って呼んでますけど、人間マネジメント、そのあたりがやっぱり一番大きいんですかね?

(大西)
ここで大事なのが、人間マネジメントって相手の気持ちが分からなきゃいけないということを考えると、仕事の中身も見れなきゃいけないんですよね。

だから、事務長室にじっとしていると見えないので、できるだけ診察の場面、処置の場面、受付の場面を手伝うという意識が結構大事です。

(高山)
前回お話ししていたように、院長が人間をマネジメントしようとすると、そもそも診察室にいるので全体が見れないですし、物理的に離れているのでマネジメントって難しいですよね。

院長とスタッフをつなぐ一方通行の橋

(大西)
マネジメントの本質ってコミュニケーションの密度だと僕は思っていて、お話ししないと伝わらないし変わらないというのがあるとするなら、院長がスタッフと話す機会がすごく少ないから、

そこをもっと増やすために事務長がいるんだと思います。
マネージャーがいるんだと思います。

(高山)
橋渡し的な存在ですか?

(大西)
橋渡しです。
ただ、その橋は実は一方通行であったりします。

(高山)
どっちからどっちへの一方通行でしょうか?

(大西)
院長からスタッフへの一方通行の橋です、その橋は。

(高山)
それはそれでいいという話ですね?

(大西)
それのほうがいいという話ですね。

ボトムアップ系の事務長は組織の混乱を生み出します。

(高山)
その一方通行が神楽坂のように、午前中は向こうで午後になるとこっちになるみたいになると、組織としては困るわけですね。

(大西)
せっかく院長は自分の味方として入れているのに、スタッフの味方になって院長を責めたら本末転倒じゃないですか。

これが、高山さんも経営者なので感じていると思うけれど、ナンバー2が下と組むとしんどいんですよね。

(高山)
孤立するパターンですよね、トップが。

(大西)
一番困るのが「何をやっているんだ」と思うけれど、本人は、僕も実はそういう時代があったけれども、良かれと思ってやっているんですよ。

「下の人が悩んでいるから助けてあげよう、よし一肌脱ぐぜ」と言って、高山社長に「物申す!」と言うわけですけれど、やらないでほしいですね、それは。経営者の立場からすると。

(高山)
現実と例え話がごちゃごちゃになるので、私の名前でやるのはやめてもらえますか(笑)。

(大西)
ごめんなさい(笑)。

(高山)
冗談ですけれども。

(大西)
確かに。心当たりがあって嫌ですね。

(高山)
心当たりは無きにしも非ずですか?分かりませんけれど(笑)。

(大西)
失礼しました。

ナンバー2としての事務長の役割とすり合わせの重要性

(大西)
その時に、橋は一方通行であるというのは結構大事な考え方で、ナンバー2の役割ってナンバー1の話を分かりやすく翻訳して下に伝える仕事なんですよね。

これは絶対に間違っちゃいけない。

これを間違えると、事務長としてはもういらないです。

(高山)
逆行してしまいますよね。

(大西)
ここは最初に院長と話す時によく話しておいてほしいかな。

事務長を雇う時に「あなたは私の右腕です。私の意見をみんなに分かりやすく伝える仕事をしてください。皆さんの意見をかき集めて僕に進言する仕事ではありません」とはっきり言ってほしいですね。

(高山)
事務長は院長の理念やビジョンに合う形で、その方向で働いてもらうということですね。

(大西)
そうです。どうしても院長も若く、まだ30代後半や40代前半なので、言い間違いや、理念もビジョンもちょっと変わる時があるんですよ。
伝え方を間違うこともあります。

その時に、ちゃんとフォローしてあげてほしいんです。

スタッフはそのちょっとした言い間違いが気になるみたいで、「院長、言ってることが違うな」とみんな言い出すわけですよ。

(高山)
ありがちですね、それは。

(大西)
そうすると、それを「言い方が違うだけで本質はこういうことなんだよ」と通訳してあげてほしいです。

(高山)
院長自身もそういうことがあるということを認めておいたほうがいいですね。

(大西)
院長はちょっとくらい間違ったほうが可愛いです。

完璧を目指す必要はまったくないです。

(高山)
目指してもできないからということで、もし間違ったことがあったら「僕も間違えることがあるし」と言えばいいわけですよね。

(大西)
「ごめん」でいいんですよ。

そこを意地の張り合いをしてああだこうだやっていても何にもいいことはないので、間違いは認める、事務長はフォローする。

そうすると、いい柔らかな組織関係ができるかなと思います。

(高山)
スタッフから見ても院長と事務長が一枚岩というか、同じ方向に向いているなということであれば、すごく安心して働けますよね。

(大西)
その時の本質の要素は、新しい仕組みを作るのを院長と事務長が二人三脚でするわけだから、理念やビジョンの共有、あと「同じ言語で喋る」のはすごく大事かなと思います。

(高山)
「同じ言語で話す」という時って、これは私の考えですけれど、言葉の定義をするというのはすごく大事かなと思っていて、前提が合っていないのにお互い「こうだろう」で話していると、大体合わないじゃないですか。

(大西)
合わないです。
あと、すり合わせをしておくことですね。
定義も決めるし、細かいところのすり合わせもする。

実際、このラジオを録る前にも打ち合わせをしてからしか録れないですしね。

急に僕が全然違うことをぶっ込んでくる時がたまにありますけれど、高山さんが焦った顔をしていますから、やっぱりすり合わせは大事だなと感じますね。

(高山)
そこはスルーでいきますけれど(笑)。

ベクトルが同じでも判断軸が違ったり、価値観が違うと違う方向へ行きますよね。

(大西)
そこも打ち合わせをしています。

例えばAさんが問題児だとする。
その時に院長は問題児だと思っている、事務長は思っていない、というケースがあるんですよ。

これも打ち合わせで、どこが問題なのか。
その問題が決定的であれば解雇だし、決定的でない場合はどうベクトルを調整するか、姿勢を変えるかなので、そこはお互いに話し合いをしていますね。

(高山)
すり合わせの作業を丁寧にやっていくと。

(大西)
そうです。
その時にぜひお互いにやってほしいなと思うのは、感情を入れないことです。

(高山)
難しいですね。

(大西)
これは練習です。
感情を入れていいことは何にもないです。

僕も過去に何回も失敗していますし、カーッとなった瞬間に正しい判断はできていないですから。

(高山)
本当はやりたいことは、そのクリニックを社会の器としてしっかり作り上げることだと思うので、個人で立ち上げたものではあるけれども、経営の舵取りというところで第三者的な視点を持ってお互いにやっていくと。

感情論にならず、好き嫌いで判断しないという感じが大事ですよね。

(大西)
その時に冷静な判断をお互いに取るために、切磋琢磨してやるんだと思うんですよね。

配偶者が事務長を務める場合の注意点

(大西)
とはいえ、奥さんが事務長のケースもあるじゃないですか。

(高山)
男性の院長の場合ですね。

(大西)
女性院長の場合は旦那さんが事務長というケースもありますよね。

これは難しいですよ。
これだけでもテーマとして出せるような気がします。

(高山)
課題が明確で、かつ解決方法を提示できるようでしたら、1回別録りしますけれども(笑)。

(大西)
答えだけ言うと、家庭と仕事をどう分けられるかということと、院長が事務長に多くのことを求めすぎないということかなという感じがします。

(高山)
どちらもやりがちですからね。

(大西)
事務長と院長は、他人であろうと身内であろうとみんなの前で揉めてはいけないです。

揉めるなら裏でやってほしいですし、揉めるというのも感情的に揉めるのではなくて前向きな調整が必要です。

それができるタイプであれば奥さんでも問題ないですし、もしそれができなければちょっとどうかなと思いますね。

(高山)
どうしても感情も伴いがちですし、家庭の状況もどんどん変化するじゃないですか。

子供が生まれたり、子育てが進んでいけばいくほど状況も変わってきますし。

(大西)
子供の手がかかるか、かからないかもあるし、そのあたりは状況によって苦しくなるケースも多く見ます。

事務長を採用・育成する上での心構え

(大西)
そんな時に、結局回り回って事務長をやっぱり採用したいなと思った時に、今日のまとめ的に言うと、事務長は院長とスタッフの橋渡しである。

橋渡しにするとしても、院長と事務長がどれくらい下打ち合わせやベクトル合わせに時間を割くか。

それさえしておけば、あとはそんなに難しい話ではないという感じはしますね。

(高山)
あとは事務長の給与問題というのがあって、どれくらい費用として出せるかということはあると思うんですけれど、

組織が10人以上くらいになってくるとどうしても必要になると考えて、そこは目をつぶって用意しておくと、自分が潰れずに済むということがあるかもしれないですね。

(大西)
安い給与ではいい人が来ないのか、いい人は高い給与なのか、この辺はもう分からないです。

世間相場で雇ったけれど、それじゃいい人が来ないよねというのもあるだろうし、出来上がった人は来ないということを覚えておいてほしいですね。

(高山)
完璧な人が事務長に来てくれるということはまずなくて、若いメンバーを雇って育成するか、最初から一緒にやっていくんだよとやるか。

あとは整形外科だったら理学療法士さんや技師さんといった方に兼務してもらう、最初からそういう風にしてもらうという方式もあるわけですよね。

(大西)
ただ、そこに必要となるのは「共に育つ」という意識です。
事務長が来たら全て解決するなんてことは全然ないので。

院長が事務長を育て、事務長が院長を育てるのかもしれないですし、その辺は切磋琢磨してほしいなと思いますね。

エンディング

(高山)
2回にわたって事務長をテーマにお話ししてまいりました。今後のクリニック経営に少しでも役立てばと思っております。続きは次回にしたいと思います。大西さん、今回もありがとうございました。

(大西)
ありがとうございました。

(高山)
「院長が悩んだら聴くラジオ」、最後までお聴きいただきましてありがとうございました。少しでも気に入っていただけましたら、番組のフォローをぜひお願いします。

新しいエピソードがいち早く届きます。番組への質問、感想もお待ちしています。それではまた、毎週月曜日ポッドキャストでお会いしましょう。さようなら。