クリニックの事務長、その必要性とは~自走型組織編~_『院長が悩んだら聴くラジオ』シーズン2_エピソード129全文書き起こし

#129 クリニックの事務長、その必要性とは~自走型組織編~

今回のトーク

  • 事務長を雇うべき最善のタイミングとは
  • マネージャーが必要となる組織の規模
  • マネージャーがいれば、院長は診察に集中できる
  • 事務長の派遣・業務代行サービスが増加中
  • 「ゼロからの仕組みづくり」を楽しめる人が向いている

院長が悩んだら聞くラジオ。この番組は開業医の皆さんが機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。悩んでいても、悩んでなくても、通勤時間や昼休みにゆるっと聞いていただけると嬉しいです。

PODCASTエピソードはこちら

(高山)
おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。

(大西)
おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。

(高山)
院長が悩んだら聞くラジオ、第129回始まりました。

(大西)
よろしくお願いします。今日のテーマは何でしょうか?

(高山)
今日のテーマは事務長のあり方ということで、ずっと今「自走型組織づくり」という大きなテーマで、細かく分解しながら話をしているわけですけど、

院長の右腕となる事務長と言うと少し偏りがあるかもしれませんが、スタッフを取りまとめるマネージャー、それからバックヤードを手伝ってくれる人みたいな存在のことを広く事務長と定義した場合、

事務長としてどういう人を採用して、どう動いてもらうことがいいのかという話をしていきたいと思います。

(大西)
難しいテーマですけど、何回かに分けてお話しできたらいいなと思います。

事務長はクリニックに必要なのか

(高山)
まず事務長って必要ですか?という質問からいきたいと思います。

(大西)
必要な時に必要になるのでしょうね。

(高山)
必要性を感じない場面もそういう時期もあるということですか?

(大西)
これが難しくて、必要な時に事務長を採用しようとするんだけど、クリニックによっては最初から事務長っぽい人がいるんですよね。
いわゆるナンバーツーというのが立ち上げ時からいる。

一方で、必要だなと院長が限界を感じてから雇う。

大きくこの2種類が分類としてあるときに、前者、最初からいる場合の方がうまくいっています。
後者、後で雇うとなかなか苦しい。

だから、さっきの僕の答えがちょっと間違っていて、事務長は必要な時に採用するんだけど、それを早めに感じてほしいなという感じなんですよね。

マネージャーが必要になる規模

(高山)
ミニマム開業で常勤3人でスタートするということもあると思うんですけど、診察室のレイアウトをどうしようかと考えたり、診療科目をちょっと広めにしようと考えたとき、どうしても複数人、医師を置こうという発想にもなる院長が多いんじゃないかなと思うんですけど。

(大西)
多いですね。

(高山)
事務長、マネージャーは何人以上になると必要になってきますか?

(大西)
頭数的に言うと10人からはもう絶対必要になるんじゃないかなと思うのと、やっぱり10人ぐらいになると悩み始めますね。

(高山)
常勤換算で言うと大体5、6人ぐらい。
シフトだったり曜日で入れ替わりで勤務してもらうことになることが多いので、頭数的には10人以上になってきますよねという想定ですね。

(大西)
よくアメーバ経営って稲盛さんが言っていたところでも、1人は3人ぐらいしか見れないと言っているんですよね。

だから一番ちっちゃな組織は4人ぐらいの組織なんです。
要は目が届く範囲ってそんなもんですと。

10人になって診察していて、終わったら帰っていくとか途中で帰っちゃう人がいると、コミュニケーションのタイミングがないんですよね。
お話しできない。

マネージャーを置くメリットと院長の業務負荷

(高山)
そもそもマネージャーを置くことによって、院長は何が助かるんでしょうか?

(大西)
診察中に例えば別で面談をしておいてくれるとか、書類を作っておいてくれるとか、何か問題があったときに対応してくれるとか。

診察に集中できるというのが一番大きいんじゃないですか?

(高山)
診察時間がスタートして終わるまで、ほとんどずっと診察室にいるわけですもんね。

患者さんが次々にやってきて、それを対処していれば当然スタッフに話しかけたり、スタッフから話しかけられてじっくり回答するみたいな時間は当然取れないわけですね。

(大西)
朝来て朝礼があったとしても、8時半からスタートして18時まで。
唯一休憩できている時間が、お昼休みの1時から2時、3時まで。

ここに面談はできないですよ、休憩時間だから。

(高山)
休憩しないとやっていけないですもんね。

(大西)
スタッフも休んでいるし。

そう考えると、3人の時などは患者も少ないんですよね。

だからちょっとした時間が結構取れたり、「集合」と言ってちょっと喋ってパッと解散みたいなことが結構しやすい数なんです。

10人になると、今日は誰々さんいないですとか、今日帰りましたとか、今日用事ありますとか。

今の時代、残業をお願いすることもなかなか難しいですよね。

(高山)
それを解決するツールとして、SNSみたいなコミュニケーションツールを導入するクリニックも増えているようなんですけど、

面と向かって話したいことも多々あるでしょうから、「そこに書いてあるから読んでおいて」というのは日常的にあったとしても、何か問題を解決するためにそのコミュニケーションではできないと思うので、

やっぱり診察を止めて、院長自らスタッフと時間をとり、ということをやっていくと、10人いたら1日終わっちゃいます。

(大西)
頑張っている院長などは1日休みにして、面談の日なんだけど他の仕事もしながら面談をし、そこの給料もちゃんと払い、ということをやっていますけど、

ここで一つ大きな問題は、10人もいると話がごちゃごちゃになってくるんですよね。
1人でやっていると。

あと混ざってくる。
それは部門の意見なのか、個人の意見なのか、変わったことを言っているのかみたいなことがわけわからなくなってくるので。

やっぱりマネージャーも必要だろうし、組織にするなら部門にトップは必要なんだろうなと思いますよね。

(高山)
大体組織化、10人以上に、なっちゃうのかしようと思ってするのかはあるんですけど、どちらにしてもそういう風になってきたらマネージャーみたいな人は必要になってくると。

これをもしやらない場合、院長がかなり忙しいというか相当なチャレンジになるということですよね。

(大西)
事務長を置いていない方が、僕の個人統計だと8割ぐらいは置いていない。

だからもう限界がきている院長がたくさんいて、最近「事務長、大西さんどう思う?」という質問が増えてきている感じがする。

時代背景と事務長ニーズの高まり

(高山)
時代の変化によってスタッフ側の発言権が高まっているというか、強まっている感じもなんとなくするんですが。

(大西)
権利意識は強くなりましたよね。
権利を主張する。

例えば残業はしない、有休は取る、これは全て権利ですよね、働き方改革で決まったことなので。

それに対して働き方改革がなかった時代は、その辺あやふやにできたかな。

ただ、また変わると思います、これは揺り戻しなので。
本当に働きたい人が働けなくなっているという問題が起きているみたいなので。

(高山)
そういう問題ありますよね。

(大西)
「私はずっと残業してでもやり切りたいんです」という人間の頭を抑えるとどうなるかというと、サービス残業が増えるだけなんですよ。

そういうのを見ていると、時代の背景もあり事務長ニーズが高まっているから、そこに商売も出てきている感じがするね。

(高山)
事務長派遣というか、事務長代行をしますよというサービスを提供する会社も今増えていますでしょうか?

(大西)
増えています。
紹介会社も増えているし、当然スポットの事務長派遣も増えている。

(高山)
スポットと言うと常勤ではなくて、週何回かとか月何回かという感じですか?

(大西)
そうです。
「ここだけやりますよ」という業務委託ですね。

事務業務の分担と配偶者(家族)の関わり

(高山)
経理処理というのは、基本的には院長自身がやっているものですか?

(大西)
奥さんがやっていることが多いです。

(高山)
奥さんにマネージャーになってもらわないで、いわゆる妻として支えてもらうということもあったりすると。

(大西)
ありますね。
振り込みとか、支払いとか、そういう類は奥さんがやるケースが多いです。

(高山)
ケースはいろいろあるでしょうね。

個人事業主であったとしても配偶者を専従の従業員として雇用して給料を払い、それが当然経費になると。
そういうふうにやっている院長も多いのかなと思いますので。

常勤であまりクリニックには顔を出さないんだけども、バックオフィスだけはやっていますということはあり得ると。

(大西)
あり得ます。
これは院長からすると助かることで、給与の支払いとか業者さんへのお金の支払いとか、あと工事の時の対応とか。

こういうことをしてくれると本当に助かる。
逆に全く関わってもらわない場合は、最初から人を入れているんじゃないかな。

(高山)
家族で仕事をするのはうまくいく場合もあれば、やろうと思ったけれど難しくなる場合もあると思いますので、そこは状況次第ですね。

(大西)
仕事量の増加と子育てとの関係でしょうね。
急に組織が大きくなったときに奥様がついていけなくなったり、子育ても年々大変になってきますから、お受験などの節目節目で離脱することがあります。

(高山)
今は男性の院長を想定した話になっていましたが、女性院長の場合もありますよね。

(大西)
女性院長の場合は、事務長候補として結婚しているケースもあって、意外とうまくいっていたりします。

女性院長で旦那様が事務長というパターンは結構うまくいっていますね。

事務長の出身と求められる特性

(高山)
事務長と一言で言っても、いろんな出自の人がいますよね。

(大西)
例えば、病院で総務とか事務長をやっていましたという人が引退して来てくれるケースが一つ。

また、医療に出入りしているMRさんやMSさんがやってくれるケースもあるだろうし。

あとは結構多いのが金融機関から来てくれる人も多いし、企業で総務や経理をやっていましたという人を結構見かけます。

特性的にはみんな大企業で働いているんですよね。

(高山)
病院も大企業みたいなものですからね。

(大西)
もともと立ち上げたことがない人たちなので、仕組みを作るところで結構苦しむなと僕は見ています。

(高山)
ゼロから作っていくというよりは、組織が出来上がっているところに就職して働いていた人だから。

クリニックは立ち上げ当初から何もない状態からやらないといけないので、ちょっと困惑があるということですか?

(大西)
そう。就業規則もなかったり、勤怠管理があやふやだったり、お金が全然上がらない仕組みだったり。

そもそも面談の仕組みもないし、組織図すら無いですからね。

(高山)
作る必要ないですからね、3人とか10人ぐらいだと。

(大西)
そっからですもん、やらなきゃいけないこと。
仕組みを作るところから始めなきゃいけない。

だから、もしこれを聴いている方で事務長をやられている方、「そうそう」と思う点は仕組みがないと困ることが多いと思うけど、考え方を変えたほうがいいなと思っていて。

「仕組みがなくて当然。ないから自分がいるんだ」ぐらいのマインドが欲しいですね。

(高山)
もしそういう右腕みたいな人がいなければ、院長が自らそれを作り上げなきゃいけないので、これは診察しながら患者を増やしながら、相当な負荷ですね。

(大西)
ドクターはそもそも仕組みを作ったことがあるわけではないので、別に得意なわけではないんですよね。

(高山)
そこを磨いてきているわけじゃないですからね。

(大西)
僕もずっとコンサルタントをやっていますけど、もともとは最初から新規事業部に配属されてコンサルタントになっているから、ある意味得意なんですよ、ゼロからイチが。

だから「仕組みを作るの楽しいのになあ」と僕は思っているんですけど。

(高山)
好き嫌いがあるんでしょうね。

(大西)
ぜひ事務長を雇うときに「新しいことを始めるのが好きですか?」という質問はすごく大事な質問かもしれない。

(高山)
事務長マネージャーの特性として「何もないところから作り上げるのが大好物です」みたいな人がいたらいいわけですね。

(大西)
ただ20年組織にいた人が得意かどうか。

(高山)
大体出来上がっているところに就職していきますからね。

(大西)
面白いですよ、少しだけ余談ですけど。

僕も前の会社にいたとき、最初配属されたときに大きな会社に入ったと思ってたら、東京営業所を立ち上げるメンバーだったんですよ。

最初は3人なんです。
全部イチからでびっくりしましたね。

(高山)
でもその経験が活きて今がある。

(大西)
物件探しから全部ですからね。

(高山)
クリニックを新規で立ち上げるときは物件探しからスタートしますし、そこからまたマーケティングもしなきゃいけないということを考えると、開業前からやっぱり右腕欲しいですよね。

(大西) ものすごく欲しいですね。

まとめ

(大西)
今日の前半部分のまとめですけど、立ち上げ時に事務長が必要だ、組織を大きくしたいと考えている院長はそこまで考えた方がいいかもしれない。

(高山)
大きいというのは、20人30人じゃなくても、10人ぐらいの組織になるんだったらということですね。

(大西)
そうです。
それは必然的にクリニックの経営上そうなります。
意識的に3人に抑えない限り、勝手になります。

多分大きくならないということは、今度逆に倒産という危機が起きるので、ある程度は大きくなるんです。

というのを考えたときに、最初から事務長候補っぽい人が入っているといいなという感じですね。

(高山)
そしたら後半はどういう事務長を立てればいいのかとか、どういう仕事を実際にやってもらうと診察が楽になるのかとか、そういったより具体的な内容に入っていきたいと思います。

では続きは次回にしたいと思います。
今回もありがとうございました。

(大西)
ありがとうございました。

(高山)
「院長が悩んだら聴くラジオ」、最後までお聴きいただきましてありがとうございました。少しでも気に入っていただけましたら、番組のフォローをぜひお願いします。

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