
DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。
(高山)おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。
(大西)おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。
(高山)院長が悩んだら聞くラジオ、第107回始まりました。
(大西)よろしくお願いします。今日のテーマは何でしょうか?
(高山)今日のテーマは、AIツールですね。
(大西)AIですね。最近よく聞く言葉で、いろんな先生が使いたいとか、使っているという話をよく聞きます。
何に有効なのかとか、そもそも全然興味ない先生もいるかもしれないですが、今日これだけ注目されている理由は何かあるのだろうなという感じはしますね。
(高山)それではこの後、クリニックで使えるAIツールについて語っていきたいと思います。よろしくお願いします。
(大西)よろしくお願いします。
クリニックにおけるAIツールの現状
(高山)AIは巷ではだいぶ浸透してきているかなと思うのですが、クリニックでのAIはどれだけ進んでいるのでしょうか。
(大西)AIは大きく分けて、生成AIの話と、分析的なAI、いわゆる画像AIの話とがあると思います。
画像AIは、内視鏡、レントゲン、エコーといった検査の多い診療科では結構入ってきているみたいですね。
特に内視鏡のAI分析があって、見落としを防ぐことができるとか、内視鏡の画像を全部見るのは大変だからそれを解析してもらえると助かるというような世界です。
この辺りはこれからもどんどん普及していくのだろうと思います。
(高山)そういう検査系のAIは、検査装置のメーカーさんが、読影補助の機能として盛り込んでいるというイメージですよね。
(大西)別に買うという感じではなくて、多分デフォルトの機能になるのではないかと私は思います。
(高山)今までそのソフトをより正確に、あるいはより快適にするために、AIツールが搭載されて一つのパッケージになっているものを医療従事者が使うというパターンですよね。
電子カルテシステムとAIによる書類作成の自動化
(大西)今注目されているのがカルテAI、あるいはAIカルテと呼ばれるものです。
書類系、カルテ系、レセプト系という、私たちが昔電子カルテと呼んでいたものが、どのように進化していくのかに先生たちは注目しています。
(高山)今は電子カルテというよりはデータの話なので、電子カルテシステムと言った方がいいかもしれませんね。
電子カルテシステムが、旧来のものにAIがサポートとして入ってくることによって、より自動化が進む、使い勝手が良くなっていくということですね。
(大西)電子カルテシステムの元々の定義は、カルテをデジタル化するというところから始まりました。
これにレセコンが当然くっつき、書類作成がくっついて、中には予約機能や問診機能もついてきたりと、だんだん電子カルテの定義が広がっていく中で、
人間がやっているところをAIに置き換えたいという発想が出てきているという感じです。
(高山)とにかく書類が多いですからね。
(大西)なぜ書類がこんなに多いのだろうと思ったときに、公共事業というものがすごく大きく関係しているのかなと思います。
(高山)クリニックに限らず、医療機関は国が管理しているので、実際の運営者はそれぞれではあるものの、不思議な感じですよね。
公共事業であって公共事業でないというか。
(大西)公共事業の枠組みの中に民間事業があるという感じです。
(高山)業務委託みたいな感じですかね。
(大西)似ている業界だと教育も結構似ていますよね。
(高山)私立学校とかそうですよね。
(大西)私立は民間なんですが、ルールは公立と同じですからね。
(高山)自由度がそれぞれありますけど。
(大西)自由度はあるけれども、結局財源は一緒なんですよね。
(高山)国からお金をもらうとか、公共からお金をもらう時には、書類ありきですからね。
(大西)難しいのが、この書類ありきというのを、書類を作る側がどんどん複雑にしていくので、書類は増えるし、難しくなります。
最近の診療報酬改定でも大きなテーマは書類の簡素化なんですよね。
(高山)ユーザーとしてはそうですね。先生側としては、できるだけ書類を書きたくないじゃないですか。
(大西)書きたくないです。
言ってみれば、そこに私たちがやっていたクラークとか、診療補助という人たちが存在していたんですよね。
医師事務作業補助者という言葉自体が変じゃないですか。
(高山)医師事務をサポートする人ですね。
(大西)先生ができたら要らないですよね。
(高山)そうですね。
(大西)先生ができないぐらい複雑なんですけど。
(高山)書類と言うと、まず起点となるのはカルテですか。
(大西)カルテですね。病院で言うと看護記録とかもそうです。
(高山)カルテを書くのにもAIを使うと楽になるのですね。
(大西)今音声AIというのが流行ってきていて、先生がしゃべったこと、患者がしゃべったことを要点だけ抜いてカルテにするという、サマライズ機能のことですね。
これが非常に有効であると言われています。
(高山)だいぶ精度が上がってきたのですか。
(大西)上がってきました。端折る力がついてきましたね、AIに。
AIの浸透によるタスクシフトと働き方の変化
(高山)じゃあクラークは要らなくなってきていますか。
(大西)クラークがいらなくなってきているかもしれませんね。
いらなくなっているかどうかは少し重いテーマですが、クラークの仕事が変わってきていることは確かです。
AIが書いてくれた文章を監修する仕事もそうですし、例えば患者さんに説明する資料を持ってきたり、
事前にこの情報を聞いておいたりとか、カルテを書くだけがクラークの仕事ではないですからね。
(高山)文字を書くという部分ではAIがかなり浸透してきているのですね。
(大西)浸透してきています。
例えば診察中にAIがカルテを書いて、その書いている間に他の仕事ができるということで、診療コントロールの部分がクラークさんの仕事になってきているかなと思います。
(高山)なるほど。あとは書類を書くと言うと、行政に提出するような書類でしょうか。
(大西)患者さんに渡す書類もそうですし、紹介をするときの診療情報提供書、行政系で言うと診断書や傷病手当、なんとか手帳などです。
そういうのは全部行政が必要として提出を求めているものなので、その作成権限者が医療機関だから医療機関に委託しなければいけません。
しかし、医療機関が書くのも遅いからなかなか出てこない。
患者にとっては非常にストレスだったんですよね。
カルテを書くとか書類を書くというところにAIがどんどん活用されていくと、人は欲張りなので今度はレセプト点検にも使いたいという話になってくるわけです。
こう見ると、診察とか検査をすること自体にはAIはあまり活用されていなくて、その周りの事務作業の部分なんだなという感じがしますね。
(高山)本当に事務作業ですよね。
(大西)事務作業が一番、医療関係者は苦手だし、嫌いなんだろうなと思います。
(高山)苦手ですし、得意な人でも大変なぐらい書類がありますよね。
(大西)何とか書士という人たちはその仕事がメインなので得意じゃないですか。
しかし、医療関係者の中で書類作成をトレーニングされた人なんて1人もいないんですよね。
(高山)元々地頭がいいというか、処理能力が高い方々だとは思うんですけれどね。
(大西)ただ医師はカルテを書く、看護師は看護記録を書く。
以前も言いましたが、本来は診察して検査をして、処置をして、手術をするという仕事がメインなので、そっちの比重を増やした方が医療の質は高まりますよね。
逆にそれ以外の仕事は、これまでは事務やクラークに任せようとしてきた流れがありました。
そこに事務やクラークの仕事をAIに任せようという流れになっているのではないかなと思います。
(高山)タスクシフトの流れ、働き方改革でよく言われる文脈が、現実に浸透してきているという印象ですね。
(大西)AIがあるとやっぱり便利になっていると思っている人たちが増えてきているのですが、
落とし穴もあって、よくあるのが「私の仕事がなくなりました」という人たちが、次の仕事を探せないというのも1つあるかもしれません。
(高山)これは難しいですね。仕事とは何かみたいな深い話になってしまいますから。
(大西)変な話ですが、楽になったら喜べばいいのに、「もっと仕事をください」みたいな、そういうところはあるのかもしれません。
(高山)仕事を生み出せる人と、仕事を粛々とやる人と、いろいろ立場がありますからね。
医療現場におけるAI開発とシステムベンダーの役割
(大西)その時にAIをプロデュースする立場の人たちは結局先生なんだと思うんですよね。
(高山)本来そうだと思います。
先生がこんなことができたら嬉しいなというニーズがあって、AIを操れる人に発注なり要望を出して、
そのニーズにしたがって実現できるものをシステムベンダーが作るという流れだと思うのですが、
医療業界は、大西さんが言っている通り診療や治療がメインなので、アイデアを出す側の人ではないのですよね。
(大西)そうなんですよね。
(高山)だからどちらかというとツールの方が先に来て、「先生こんなの使ってみたらどうですか」「じゃあ使ってみようか」もしくは「今までなくてもよかったし」という感じで様子を見る先生がいたりします。
AIで色々なことができる様になってきたことが浸透してくると、先生が発想して「これもできるようにならないの」と提案しやすくなってきている気がしますね。
(大西)そこがAIのもう1つの進化で、ソースコードなどをAIが書けるようになったので、パソコンの得意な先生は自分でいろんなものを作れてしまうんですよね。
これは少し脱線かもしれませんが、プログラム開発やシステム開発に医師が関わった方が絶対にいいのに、これまでは関わらなかったという現状が少し覆りそうな感じはします。
(高山)それは具体的にはどういうことですか。
(大西)先ほどの話もそうですが、カルテを書くAIツールを作るのに、ベンダーやエンジニアが1から作っているのではなくて、自分でChatGPTなどを使ってやってみるという先生もいるわけです。
(高山)なるほど。
(大西)そうするとそちらの方がずっと使い勝手が良かったりするわけじゃないですか。
(高山)そうですね。
(大西)そういう時代になると、システムベンダーたちは、いい先生を囲い込むといいですよね。
(高山)医療従事者の方って、結構いいものを作ったら、そこで融通し合ったりする文化があるじゃないですか。
AIツールなんかまさにそういうことをやりやすいですよね。やること同じですからね。
(大西)ただ、医療従事者の人たちって、なぜかわからないけれど安く譲り合ってしまうんですよね。
そこに産業が生まれにくいというか。
(高山)それもいいところなのかもしれないなとも思うのですが。
医療に特化したAIプラットフォームのようなものがあれば、みんなで作ってみんなで融通し合うというのはいいのかもしれませんね。
(大西)昔ファイルメーカーが流行った頃にそれはよくありましたね。
(高山)そうですよね。やりやすいです。
(大西)ファイルメーカーや最近だとキントーンなど。
ああいう類のものは、誰かが作って「これ使ってみない?」と使ってみたらある程度流行る。アクセスもそうですよね。
(高山)そうですね。
(大西)最たるものがダイナミクスという電子カルテなんです。
吉原先生という先生が電子カルテをアクセスで作った。
そして安くみんなに譲ったらすごい普及した。
これがAIでも同じようなプロセスをたどるのかなという感じがします。
(高山)AIの違うところは、進化もAIに任せられるというか、今まで保守や進化させようと思うとベンダーに頼まなければこれ以上はいけないということがあったと思うのですが、
プログラムも開発できるようになってくると、ベンダーがいらなくなってきますよね。
(大西)今、メーカーとベンダー、いわゆる代理店さんたちは結構岐路に立っているというか。
メーカーはプラットフォーマーになるし、代理店さんはじゃあ要らなくなるのかというと、そこをどううまく活用していくのかという世界になりますね。
(高山)物をカタログで販売していくようなイメージのベンダーさんはなかなかいなくなると思うので、
本当にこのニーズを、AIも絡めて日々アップデートできる、そういう提案ができる右腕になってくれる人が生き残っていくのかなというイメージですね。
(大西)重要なことは、医療現場もアップデートし、ベンダーもアップデートする中で、どう最新情報を得るかということだと思います。
ただここはいつまで経ってもあまり大きなお金が動かない世界だと私は思っているんですよね。
(高山)はい。
(大西)コストダウンの流れじゃないですか。
カルテを簡単に書く、書類を簡単に書く、レセプトを簡単に書くイコール人を減らすということでしょう。
(高山)そうですね。
(大西)すると、次は収益にAIを活用しようという流れがテーマになるのではないかと思います。
今後のテーマ:収益化とCRM
(高山)収益にと言うと何になるのですか。
(大西)いわゆるCRMですね。
(高山)なるほど。
では後半ですね、今後その収益に関わるAI、今CRMという言葉がありましたけれども、
かかりつけ医というのも1つキーワードになるかと思いますので、かかりつけ医とAIというテーマで、続きは次回にしたいと思います。
(大西)次回はCRMの話をしましょう。よろしくお願いします。
(高山)よろしくお願いします。
(高山)少しでも気に入っていただけましたら、番組のフォローをぜひお願いします。新しいエピソードがいち早く届きます。
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DOCWEB編集部(一般社団法人 DOC TOKYO)
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