
DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。
(高山)
おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。
(大西)
おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。
(高山)
院長が悩んだら聞くラジオ、第119回始まりました。
(大西)
よろしくお願いします。今日のテーマは何でしょうか?
(高山)
今日のテーマは自走型組織を取り上げていきたいと思います。
(大西)
クリニック経営をしている中で、だんだん自走型、要は院長が一人で全部負っている時代から、だんだんスタッフに任せたいよねというフェーズに差しかかるときに、
必ず当たるのがこの「院長だけやってる組織」から「みんなでクリニックを盛り上げる組織」に。
それが自走型組織という意味なのですが、結構気をつけなければいけないことがたくさんあるので、そんなことが話せればいいのかなと思います。
(高山)
よろしくお願いします。
自走型組織とは
(高山)
自走型組織とは何かということを定義しないといけないと思うのですが、逆を考えるとわかりやすいかなと思いまして。
自走型組織になっていない組織でよく交わされる言葉はどんなものがあるかなと考えてみたのですが。
例えば「これ、どうすればいいですか?」とか「指示されていないのでやっていません」とか「あの人がそう言っているので」みたいな感じです。
誰々さんがこう言ったからやりました、というように。
(大西)
人のせいにしている感じですね。
(高山)
あとは「前例がないので難しいと思います」という。
(大西)
官僚ですか、という感じですが。
(高山)
こういった言葉が出てくる組織というのは、自走型になっていないと言われているのですが、こうした背景というか、なぜこういう言葉になってしまうのでしょうか。
これ、院長がスタッフから言われたら一番辛い言葉だと思うんですよ。
「自分で考えてくれない?」「責任を一切負いたくない」という他人事感というか。
リスク回避の言葉が身内に言われてしまうというのは、結構辛いというかストレスだと思います。
(大西)
でもよく聞きますよ。
僕もコンサルに入っているときによく言われるのは、「え、大西さんが考えるんじゃないですか?」とか「先生と大西さんで決めるんですか?」とか。
これには2つの意味があって、「僕と先生が決めることを受け入れますよ」なのかと思うのですが、「え、2人で決めるってことは私たちの意見いらないですよね」という嫌味も入っているなと感じます。
これは結構根が深いというか、先生が決めたことをトップダウンで下ろすというのと、僕みたいなコンサルが入って、先生とコンサルだけで話し合って下ろすというのは、ちょっと意味合いが違うんですよね。
僕はコンサルなので組織からすると異物なんですよ。
異物というのはいつもいない人。
だから、いつもいない人の意見って通りにくいんです。
だから「先生と大西さんで決めるんですか?」という嫌味を言われる。
でも「じゃあ、みんなで決めようよ」と参加型に切り替えると、「そこまで私たちが考えなきゃいけないんですか?」という言葉が出てくるわけですよ。
考えることを放棄してしまっている組織って、なぜ起きてしまっているのかなというのはいつも悩みますね。
(高山)
もともと入職したときからそういう思いを持っている人と持っていない人。
そういう思いというのは「クリニックを良くしていこう」「自分が役立っていこう」と思って入職する人と、そこまでは至っていなくて職として就きたいというだけで入ってくる人はいると思うのですが。
入職して最初のレクチャーというか説明で、「うちのクリニックはこうで、こういうふうにやってほしいんだ、こういう働きをしてほしいんだ」という設定が最初に必要だと思うのですが、
それをやっているクリニックだとしても、さっきみたいな言葉が出てきてしまうとすると、何が原因なのでしょうね。
思考停止に陥る背景
(大西)
まず、何のために働くかのベクトルがズレている可能性がありますね。
クリニックで働く意味というのを、最初に入職研修のときに僕が担当するときはするんですよ。
「あなたは何のためにクリニックに就職しましたか?」
1つはお金のため。
1つは自己研鑽、自分を成長させたい。
1つは社会貢献、誰かの役に立ちたくて。
多分こんな意見になるんです。
そのときにお金のためが強い組織は、この傾向がありますね。
(高山)
理念浸透みたいなことも根本的なところではあると思うのですが、根本的にそういう気持ちで入ってきたとしても、表面的な何かに引っ張られてしまって、そういった目的を失っていくプロセスが何かある気がするんです。
(大西)
それはトラウマというか。
必ずクリニックってミルフィーユになっていて、多層化になっているわけですよ。
先輩たちがやっていないことを後輩がやるはずがなくて。
例えば先輩が「そんな余計なことしなくていい」と言った瞬間にみんな思考停止です。
これは先輩もそうだし院長もそうですね。
要は「業務改善提案をしたにもかかわらず、それが採用されなかった」というトラウマです。
(高山)
トラウマというか、自分の意見が通らなかった経験が積み重なって「もう自分からは新しいこと言うのやめよう、提案するのやめよう」というふうに。
(大西)
その背景にあるのは、中途採用の組織だからかもしれません。
前のクリニックと今のクリニックを比較しがちなんですよ、スタッフが。
前のクリニックではこういうことをやっていました、と。
これが「何で前のことばかり言うんだ」「今のクリニックに不満なのかしら」と受け取られてしまうと却下されるわけです。
(高山)
うちはうちなんだ、という。
(大西)
そう。
うちはうち、うちのやり方があるんだ、と。
でもその「うちのやり方」って誰のやり方ですかと僕がいつも言うのですが、それがある特定の人やスタートのメンバーのやり方だったりするんですよね。
(高山)
そうするとやっぱりそういう言葉が出てしまう「自走型組織じゃない」、逆に言うと「指示待ち組織」みたいになるというのは、先輩スタッフの言葉とか態度から来ている。
(大西)
あとは、これまでのやり方を変えてはいけないのではないかという強迫観念。
やり方を変えたら怒られるという、怒られた経験によってですね。
ただその「やり方」というものも、実は調べてみると言語化されていなくて、経験則に則ったやり方だからどうにでも取れるんです。
先日その話をして、ワークフローを全部書き出してみようというワークをしたことがあるのですが、そのときも気づいたことが、Aさんが言っていることとBさんが言っていることがちょっと違うんです。
要はやり方を口頭伝達しているんですよね。
これってだんだん考える力が減っちゃうので。
(高山)
口頭で伝達すると考える力が減ってしまうのですか。
(大西)
見よう見まねだから。
(高山)
見よう見まねだと考える力が働かないということですかね。
(大西)
考えるというプロセスをやめてしまうので。
例えば僕らってそうなのですが、人間って頭を使うためには、1回頭に入れて言語化しなければいけない。
で、言語化できて初めて頭が整理されるというプロセスがあるのに、見よう見まねって頭を使わずに反射神経だけでマスターしようとするんですよ。
そうすると最短距離は同じことをすることなんです。
「とりあえず真似する」という。
(高山)
意味を考えずに、とりあえずこうなっているから、そういうふうにやればいいんだと教わってしまって、それを再現するという。
そうすると意味がわからないけどやるという状態になっていて、そこから逸脱すると怒られる。
(大西)
意味がわからないでやっているから間違えるんです。
(高山)
で、間違えると怒られる。
「システム1」と「システム2」
(大西)
その循環がぐるぐる回っていると、だんだん指示待ちに変わっていく。
(高山)
そもそも何でそういうルールでやっているのかとか、何でこの非効率なことを延々と同じことやっているのかとか。
同じクレームが患者さんから毎日来るんだけど改善せずにずっとやっているのはなぜだろう。
でもこれ考えてもしょうがないな、言ったら怒られるし、今までのことを否定することになるからもう言わないでおこう、というふうに封印されていきますよね。
(大西)
これが思考停止のメカニズムでしょうね。
(高山)
今話していて思考停止していきました。
(大西)
人間って思考が柔らかいときと固いときってあるじゃないですか。
そのときって多分人間がどこかスイッチ入れてるんだと思うんです。
「あ、この話もう私関係ないわ」と思った瞬間思考停止をかけるみたいな。
よく最近読んだ本で「システム1」と「システム2」という話があって。
システム1というのは反射神経で行動する。
システム2はよく考えて行動する。
こういうふうに人間って2通りのパターンがあるんです。
で、1が発動すればするほどだんだん考える力が失われていく。
2が発動すればするほど考えるのでスピードは落ちていく。
医療の現場は反射神経で仕事毎日毎日していることによって、考える力がだんだん減っていって、その日が過ぎればいいやになりやすいかなと思います。
(高山)
ある意味、そんなに考えなくても回ってしまうと言えば回ってしまうかもしれないですね。
(大西)
だけど先生が言っているのは自走型組織にしたいという文脈で考えると、立ち止まって考える人を育てたいという意味だと思うんですよ。
1たす1は2と答えられるのがさっき言ったシステム1で、考えない。
もう九九もそうじゃないですか。
私たちに染み付いているので、3・2が6って誰でも言えるわけですよ。
でも今度33かける33は、すぐ言えないわけですよ。
(高山)
考えないといけないですかね。
答え知っている人はパッと答えるかもしれないですけど。
(大西)
そこで、すごくいいキーワードが「答えを知らないとき」に、答えを導き出そうとする行動か、とりあえずもうそれ考えるのやめるという行動か、どっちのほうが楽か。
って考えると、考えないほうが正解。
で、これが組織に蔓延すると院長だけ考えていて、あとのみんなは考えない。
業務における課題とイレギュラーへの対応
(高山)
流れ作業で深く意味は考えずにその日を回していこうという毎日をやっていると、まず改善しようというのが邪魔になってくるじゃないですか。
せっかく慣れている方法を変えるというのは流れを止めるということになるので。
かつ、目の前に患者さんが来ていますから、毎日の本番の中で何かを変えていくというのは非常にリスクはリスクですよね、運用している側としては。
(大西)
そのときに立ち止まって考える時間が取れていますか、というのが僕の最初の意見かな。
自走型に進むためには。
(高山)
これ難しいですね、毎日の診療時間内で考えるというのは相当難しい感じがします。
(大西)
そのときにいろんな手法があるのかなと思うのですが。
自走しない理由が今整理できたわけじゃないですか。
日々の忙しい業務に捉われて、その中でだんだんこう考える時間も考えるということすらも失われていっている。
にもかかわらず、先生からは「自分で考えろ」と言われると、それは無理ですよね。
(高山)
ただこれ先生の、そういうふうに言いたくなる気持ちもわかって。
基本の流れがある。
だけどちょっとしたイレギュラーがありました。
そこを考えてほしいわけですよね。
(大西)
イレギュラーってチャンスなんですよ。
例えば初めてのクレームがあった。
そうすると過去のクレームの経験が活きないので、考えなきゃいけないじゃないですか。
でもしかしたら、過去の経験の積み重ねで対処できるかもしれないし、できないかもしれない。
もうこんなふうになると、誰かに投げたほうがいいので「院長代わってください」になるんですよね。
(高山)
そうすると院長も、院長が毎日やっているわけではないことをイレギュラーだけ聞かれても、またそもそもいつもはどうやってたんですか、からヒアリングしなきゃいけないから、余計時間かかるじゃないですか。
(大西)
この裏にもう1つだけ爆弾が仕掛けてあって。
「院長は受付の仕事知らないですよね」「私たちの仕事あんまり知らないですよね」みたいな邪な気持ちも入ってくると、さらに悪化するんですよ。
(高山)
そうふうに思われているんだったら「じゃあ聞かないで」とも思うし、わからないなら聞いてとも思うし。
本当にもうどっちつかずの状態になっていくなというのがすごく想像できるのですが。
またこの話、結論に行き着くまで何回か必要だと思うので、今日はこのあたりにして続きは次回にしたいと思います。
今回もありがとうございました。
(大西)
ありがとうございました。
(高山)
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この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。

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