ファストドクター、在宅医療の診療報酬算定を支援するAI BPO型システムを開発

ファストドクター、在宅医療の診療報酬算定を支援するAI BPO型システムを開発

ファストドクターグループは2026年9月10日、グループ会社のクラウドクリニックと協働し、在宅医療の診療報酬算定BPOを支援する「AI BPO型の業務システム」を開発したと発表した。AIエージェントとルールエンジンが算定候補を作成し、専門スタッフの確認・修正・承認を経て医事会計システムへ登録する仕組みである。

AIと専門スタッフが算定から登録までを分担

新システムでは、AIエージェントが自由記述を含む診療記録から算定に必要な情報を抽出する。訪問種別、診療時刻、傷病名、施設種別などを構造化し、ルールエンジンが診療報酬制度に基づく算定候補と根拠を生成する。その後、専門スタッフが候補を確認して必要に応じて修正・承認し、承認済みの内容を医事会計システムへ登録する。

算定結果をAIだけで確定せず、候補の根拠を専門スタッフが確認できる工程を組み込んだ。確認・修正の履歴は、制度ルールや情報抽出処理、医療機関ごとの運用に応じた調整に活用するという。個人情報・医療情報は保護に配慮した環境で処理し、AIモデルの学習目的には利用しないとしている。

1カルテ当たりの算定作業時間を約75%削減

ファストドクターグループは、新システムによって1カルテ当たりの算定作業時間を従来比で約75%削減したとしている。クラウドクリニックのサービスを利用する医療機関は、相場価格の半額水準で診療報酬算定を外注できるとしており、より利用しやすい価格で専門的な支援を受けられる体制を目指す。

在宅医療の算定では、患者が自宅で独居しているか、複数人が入居する施設にいるかによって点数が変わるほか、同月の診療履歴や訪問種別など複数の情報を照合する。今回のシステムは、こうした在宅医療特有の算定文脈を扱うBPO業務を対象とする。

在宅医療の算定BPOに対象領域を限定

今回発表されたシステムは、同グループが2026年4月に発表した病院の外来診療向け「算定エージェント」とは対象領域が異なる。在宅医療の診療報酬算定BPOにおける業務支援を目的としており、診療報酬制度そのものの変更や、新たな算定要件の追加を発表したものではない。

在宅医療機関の業務との関係では、診療記録からの情報抽出、算定候補の作成、専門スタッフによる確認、医事会計システムへの登録という委託範囲が具体化された。一方、発表では提供開始日や利用条件の詳細は示されていない。

出典

  • 情報元:ファストドクター株式会社
  • 掲載日:2026年9月10日
  • 記事名:AIを活用した医療現場の業務変革を推進 在宅医療の診療報酬算定業務をAI BPO化