専門科ごとに異なる、KPIの設定の方法_『院長が悩んだら聴くラジオ』シーズン2_エピソード128全文書き起こし

#128 専門科ごとに異なる、KPIの設定の方法

今回のトーク

  • 他人に決められた目標を嫌がるのは、人の性
  • 非営利という建前が生む、数字へのアレルギー
  • 再来と新患、標準比率は9対1
  • 患者数は毎日測れるKPIになる
  • 内科でも、指標は専門科で変わる

院長が悩んだら聞くラジオ。この番組は開業医の皆さんが機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。悩んでいても、悩んでなくても、通勤時間や昼休みにゆるっと聞いていただけると嬉しいです。

PODCASTエピソードはこちら

(高山)
おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。

(大西)
おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。

(高山)
院長が悩んだら聞くラジオ、第128回始まりました。

(大西)
よろしくお願いします。今日のテーマは何でしょうか?

(高山)
前回に引き続きKPI設定を深掘っていきたいと思います。

(大西)
前回の話の続きで、KPIって診療科とかクリニックごとに違って当然だよねという話が出ていたんだけど、今日はそのあたりの傾向を内科だったらとか、整形外科だったらみたいなことで考えていけたらなと思います。

KPIをもしこれから立てようかなっていう人たちに、こんなアイデアが出てきたらうまくいっているよというところが話せればいいなと思います。

(高山)
よろしくお願いします。

なぜスタッフはKPI設定を嫌うのか

(高山)
前回まででKPIとは何かということで概念について確認をしてきたわけですけれども、クリニックのスタッフはKPI設定というとあまり好きではないというか、イメージが湧かない人が多いんじゃないでしょうか。

このあたりをわかった上で先生がスタッフにKPIと言わないと、アレルギー反応というか予期しない反応があるのかなと思うので、スタッフの気持ちを少し教えていただけますか。

(大西)
目標を決めるということを僕は色々な研修でするんですけど、人に薦められた目標に関しては多くの人がちょっと嫌だなというところはあります。

もっと言っちゃうと、具体的であればあるほどなぜか嫌がります。
これが人間の性で。

頑張っている度合いを測るというのが医療の世界でなんか難しかったんですよね。

難しさの背景には、目の前の患者に全力を尽くそうというところもあったし、もともと非営利事業なんですよ、医療って。

お金のためにやっているのではないみたいな建前がありました。

建前と本音という言い方をすると、建前で集まってきたスタッフに対して本音をぶつけるとやっぱりアレルギーが出ちゃうんですよね。

(高山)
度合いによりますよね。

その建前度がすごく強い人と、そうではないもう建前ではなくそれが地で生きていますという人も多分中にはいらっしゃると思うんで。

(大西)
それもそうだし、スタッフさんの中に、僕が専門学校で教えてきた時に「何のために働くんですか?」という質問に対して、

「自分のため」とか「お金のため」というのはちょっと置いといて、「社会のため」とか「人のため」の人がいいよと僕らも教えているので、ちょっとそこに乖離ができちゃっているのかもしれない。

(高山)
ただで働くのかというと、そうじゃないですもんね。

(大西)
貢献した対価としてお金を頂いているという立て付けで話してきてしまっている人たちばかりなんですね。

看護もそうだしドクターもそうだし、事務さんたちもそうやって習ってきちゃっているので、どうもKPIの「売上」「単価」「患者数」というのが苦手なんですよね。

(高山)
この職種に限らず、数字でピシッとなるのを嫌うというか、あまり好まない方のほうが多分多いですよ、世の中。

(大西)
ノルマとか歩合制という言葉でワクワクする人間は珍しい人たちなんだと思うんだよね。

(高山)
多分世の中1、2%ぐらいしかいないです。

(大西)
僕なんかは好きだから自分にノルマを課して超えると気持ちいいんですけど、本当に少ないですよ。

(高山)
自燃型の人なんですね。
自分で燃焼していく。

(大西)
頑張りすぎると燃え尽きるんですけど。

(高山)
ただ大多数の人はそうではなくて、数字とかお金にモチベーションを持つという人が多いわけじゃなくて、特に医療に関しては目の前の患者さんの役に立つということに重きを置いているので、数字に変換することが難しい。

(大西)
例えば公務員、学校の先生にしましょう。

学校の先生に「売上を上げなさい」というのは難しいですよね。

応募者を増やしなさいというのも、一人の担任の先生に言わせても難しいですよね。

それに似ている感じがします。

(高山)
自分一人が頑張ったところでクリニックの患者が増えるのかというのもありますし、それを目的としているわけではないので、淡々とやるべきことをやるだけだよね、これ以上何をすればいいんでしょうか、という話にはなりますね。

(大西)
だからその時にこのKPI設定ワークというのが非常に効いてくるというか。

売上を上げるには何をすればいいの、そしてあなた個人個人が何をすればいいの、というのをやっていくうちに腹にポンと落ちる時があるんだよね。

「あ、なるほど」と。

簡単に言うと、1日の労働時間例えば8時間の中で見られる患者数って限界があるわけですよね。

これが満タンであればどうやったらその満タンじゃなくできるかというと、患者の対応時間を減らすというところに行くし。

これがなんとなく患者さんは来ているけれども、もうちょっと伸びしろがあるんじゃないかというと習慣活動ということで、例えばホームページを見直すとかSNSに取り組むとかいうのにKPIは設定されていくんだと思うんだよね。

適切な指標としての「患者数」

(高山)
社会貢献度とか患者満足度みたいな数値化しづらいものは一旦置いておいたとして、まず自院のクリニックの状況がどうなのかというのを、前回話ありましたけれども、

地域の統計と比べて自分のクリニックの患者さんが多いのか少ないのか。

これによってまずは伸ばすべきなのか維持すべきなのかというのはありますよね。

キャパとして受け入れられるはずなのにそれ以上の患者さんが来ていないということは、社会の器としてまだまだ貢献ができるというふうにまずは確認すること。

その中で、これはもう診療科目共通だと思うんですけれども、新患を増やすのか再来患者を増やすのか。

それからその頻度ですね。

1人の患者さんが来る頻度を増やしていくべきなのか、1回来たらもう二度と来ないでいい体にしましょうなのか、いろいろあると思うんですけども。

まずは具体的に新患と再診の標準的な比率というのはあるんですか。

(大西)
開業してどの時点かによって違うんですけど、だいたい3年から5年ぐらい経つと落ち着くので、だいたい再診が9、新患が1ぐらいの比率に落ち着いてくるのが普通ですね。

(高山)
1つの指標としては9対1があって。

そうすると例えば新患が0.5だなという話になると、ちょっと新患を増やさないと経営自体が回っていかないよねとか、いうふうに見ていくんですか。

(大西)
100人いたら10人新患を取りたくて、今日の締めをした時に「あれ、今日5人しか来ないな」と。

ということはイメージでいうと95%で生きている状態になっているわけですね。

これが毎日毎日続いていくとどんどん差が開いていくと。

その時に「今日は10人来たな」「今日は11人来たな」「今日は12人来たな」と新患の数だけベンチマークするだけでも1つKPIになるのかもしれないしね。

(高山)
本当にクリニックごとに設定をした上で、そこに定数として届いたか届いていないかというのをウォッチしていくという感じですよね。

(大西)
体重測定と同じように毎日答えが出る話なので、患者の数というのはKPIにしやすいですよ。

内科における具体的なKPI

(大西)
ただ診療科によっても違うし、得意不得意もあります。

例えば内科であれば内視鏡のクリニックと、一般内科と言われる何でも診るクリニックとはやっぱりKPIの設定の仕方は違いますよね。

(高山)
診療科目ごとにどういうふうに見ていくのかというのをやっていきたいと思うんですけど、まずは内科からお願いしたいんですが。

(大西)
内科という疾患が厚労省の考え方でいうと、どちらかというと発熱外来というこれまでのコロナ禍の時に注目してきてほしかった患者と、コロナがもう終わって少ししばらく経つので慢性疾患に移してくださいねという流れの中にあります。

内科専門特化型というのがやっぱり最近の流行りなので。

例えば先ほど言った内視鏡は、内視鏡検査とか内視鏡の手術の件数はKPIにしやすい。

一方で糖尿病内科だと、生活習慣病の患者さんのリピート率、要は離脱しないというのをKPIにしやすい。

あとは循環器とか心臓系ですね。

この辺はどちらかというと健診から来るケースが多いので、いかに健診から患者を獲得できたかなんていうのもKPIにすることが多いし、検査数なんかにフォーカスしている先生も多いですね。

このように内科でも細かく分かれるので、私たちが患者を増やす施策は何かというのもそうだし、どの数字を見るかというのが内科でもこれだけ違います。

(高山)
今見てきたのは、新患だったり再診だったりあと頻度だったりしますけれども、その特化している患者さんにどういう行動をしてもらいたいのかという仮説を持って設定しておくということですよね。

(大西)
そのデザインをみんなですり合わせをしておく。

どういうふうに患者が来てどういうふうに離脱していくのか。

どこにチェックポイントがあるのか。
このチェックポイントがKPIなんじゃないかな。

エンディング

(高山)
まず内科のことを見てみましたけれども、この続きを次回にしていきたいと思ってまして。

整形外科、耳鼻科、皮膚科、小児科、眼科とか最近多い精神科、このあたり科目ごとのKPI設定の具体例みたいなことを教えていただきたいなと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。

(大西)
はい、よろしくお願いします。

(高山)
「院長が悩んだら聴くラジオ」、最後までお聴きいただきましてありがとうございました。少しでも気に入っていただけましたら、番組のフォローをぜひお願いします。

新しいエピソードがいち早く届きます。番組への質問、感想もお待ちしています。それではまた、毎週月曜日ポッドキャストでお会いしましょう。さようなら。